仕事だけで死んでたまるか!
怒りが仕事の効率化に目覚めさせた

40代で人生が終わっても後悔しないための「仕事圧縮術」高さ世界2位の観覧車 シンガポール・フライヤー。観覧車のように、「終わることのない多忙ループ」に抜け出せずお困りなら、今回の記事は多忙ループ脱出のカギになるはず

 先日公開されたネスレ日本の高岡浩三社長のインタビュー記事で、高岡社長はこのようなことを語られていた。

「私の11歳の誕生日に、父は42歳で亡くなりました。

 祖父も42歳で亡くなっています。高岡家の長男は42歳で死ぬ運命なのではないか、とうっすら思うようになりました。人生の締め切りは42歳。短い人生を意識し始めたことは、会社選びや仕事の進め方に影響するようになります──」

高岡社長は42歳で人生が終わるかもしれないことを念頭に、人が2~3年でやることを、その半分や3分の1の期間でこなしてきたそうだ。

 この記事を読んで思い返すことがある。筆者は社会人となって20年ほど経ったが、そのほとんどを「多忙」と呼ばれる部署で過ごしていた。

 そんな目が回るような忙しさに追い打ちをかけるように、筆者は働きながら通えるエグゼクティブMBA(しかも2年分の修士課程を1年で修了できるコース)に通い始めたのだ。

「エグゼクティブMBA」とは、職務経験10年以上のマネジャー職に就いている者が、さらに上級管理職を目指し、仕事を続けながら学位を取得する経営学修士プログラム。私が通ったタームには、22ヵ国の国籍を持つ平均年齢アラフォーのクラスメートが28名。スイス銀行のグローバルマーケティングのトップや、大手企業のCFO、ヘッジファンドの人間など、年齢もキャリアも多様な人たちが集まっていた。

 高岡社長は自主的、筆者は必然的と動機は違うが、仕事のスピード感を高めざるを得なかった状況は似通っている。

 仕事に加えての週30時間の勉強。仕事がこなせないと海外では即クビになり、MBA課題の方がこなせないと退学というプレッシャーで休むこともできず、日々の平均睡眠時間は2時間。いつ倒れてもおかしくない状況だった。

 しかしそんな生活から脱却する転機が2つあった。