やりたいことで志望業種や企業を
スライドさせる

 2つ目は「やりたいことスライド」だ。

 例えば、「グローバルに活躍したい」総合商社志望の学生がSONYなどのBtoC一般のお客様向けにビジネスを行う)メーカーや東レ(ユニクロと共同開発したヒートテック®が有名)などのBtoB(企業向けにビジネスを行う)メーカーを志望するケース。グローバルに仕事をしたい場合、これらのメーカーでもチャンスはある。海外の売り上げ比率が高く、海外の仕事に挑戦する機会は多くある。

 このスライドをするためには早めの自己分析(我究)が重要だ。自分のやりたいことを明確にして、スライドできる企業や業界探しに時間をかけて取り組めるからだ。やや手間がかかる印象かもしれないが、メリットは大きい。複数の業界が視野に入るため、将来の選択肢の幅が広がる。

 また、面接の際も「商社A社とメーカーB社を受けています。その両社の共通点は〇〇(やりたいこと)です」と自分の思いをしっかりと語れる。結果的に志望企業がすべて大手になったとしても、自分のやりたいことを考えた上でそのようになっている学生は、強い志望動機を完成させることができる。

 以上のように、「スライド」の企業選びはメリットがたくさんあることがわかるだろう。

 いよいよ9月になり、就活生がいっきに動き出すシーズンが到来した。
 人気ランキングに載っているような大手ばかりに目を向けるのでは将来の選択肢が狭まってしまう。

 スライドをしながら自分の志望企業や業界を広く見ることにも挑戦してほしいところだ。