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一生を賭ける仕事の見つけ方
【第5回】 2016年9月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
斎藤祐馬

「人に会うのが苦手」な人ほどうまくいく!?
巻き込み力を育む「◯◯会」戦略とは?

「何かに熱中したい」「自分にしかできないことを見つけたい」けれど、「何に『人生』を賭ければいいのか」がわからない。そんな全人類共通とも言える悩みに、著書『一生を賭ける仕事の見つけ方』で1つの答えを示した若きプロフェッショナルがいる。起業家の登竜門「モーニングピッチ」発起人で知られる斎藤祐馬氏だ。
「思いと仕事をつなげる方法」について、ミッション、マインド、そしてビジネスモデルと順におさえてきたが、もう1つ、重要な要素があるという。それは、「ネットワーク」。そう聞くと「人脈を築くのは苦手」と思う方もいるかもしれないが、そんな人だからこそ、効果の出る「小さな一歩」の踏み出し方があるという。果たしてその方法とは、何なのか。

「ネットワーク」の大切さを気づかせてくれた、
浪人時代の出来事

 僕が「ネットワーク」の大切さに気づいたのは、公認会計士試験を通じてだった。

 不合格だった3度の試験、僕はなぜか「勉強は1人でやるもの」ということにこだわっていた。しかし、母親の後押しで4度目の試験に挑戦できると決まったとき、「今年こそ何がなんでも受かってやる」と、それまでのこだわりを捨てることができた。予備校で受験友だちを積極的につくり、先生のところにも質問や相談で押しかけるようになった。

 振り返ってみて思うのは、「ネットワーク」を持つことが、苦しい戦いを勝ち抜くうえでいかに助けになるかということだ。

 特に大きかったのは、同じ目標に向かう人たちの存在がメンタルの大きな支えになり、また有意義な情報源にもなることだった。合格した人と不合格だった人をよくよく見比べれば、合格した人ほど受験友だちが多く、個人戦を貫こうとした人はだいたい不合格になっていることにも気がついた。1人でメンタルを保ちつづけるのは並大抵のことではないし、情報量に関しても、仲間がいるのと比べたら1人が圧倒的に不利なのは明らかなことだ。

ここで紹介する「ネットワーク」は、ひと言でまとめるとするならば、人を巻き込んでいく力のことだ。ミッションを自分1人の力だけで達成するのはとても難しい。人の力を借りることで、ミッションを前に進めるスピードも上がり、さらには大きく育てていくことができる。ともにミッションに挑む仲間を集め、あるいは上司や経営陣の理解やサポートを得、あるいは投資家や金融機関から資金を集める。そのために必要なのが「ネットワーク」の力だ。

はじめは「質」を追わずに「数」を追うべし

 平日の夜と土日に手弁当で「ベンチャー支援」を始めたころに言われた言葉で、今でも印象深く覚えていることがいくつかある。

 そのうちの1つは、ある飲み会で知りあった証券会社でIPOを手掛ける営業マンから言われた言葉だ。

「将来のために人脈をつくりたいなら、最初の1年は質を考えちゃダメだよ。ともかく数を追わなきゃ。どんな人でもいいからとにかく会いまくる。そのうち、人を見極める力もつくようになるし、自分にとってどういう人が必要かも見えてくるようになるから」

 僕がひたすら人に会いつづけたのは、この人に言われた言葉の影響も大きかった。

 最初の何ヵ月かは、平日の夜、ほとんど毎日のように飲み会の予定を入れた。

 ベンチャー関係者が集まる飲み会だけでなく、とにかく人と会うために異業種交流会にも足を運んだ。昼間はクライアント企業で監査の業務をこなし、夜になると毎日のように大勢の人と会って話して飲む。

 そんな日々を続けると、名刺が飛ぶように消えていった。内勤の多い新人の会計士が、それほどの名刺を消費することはまずない。それなのに2、3ヵ月ごとに、名刺を5箱も6箱も頼むものだから、上司や総務からは「あいつは何をしているのか」と、不審がられていたのではないかと思う。

人に会うのが苦手な人にこそ勧めたい
絶対に効果が出る「勉強会」戦略

「ネットワーク」を広げていくには、最初は「質を追わずに数を追う」のが結局は近道になる

 最初から質を求めようと思っても、目利きの力も足りないと相手の善し悪しを見抜けないし、自分のミッションやビジネスモデルの語り方が未熟なら、いい人に出会えてもその人の心をつかめない。

 まずは質を選ばず1人でも多くの人に会い、自分の目を鍛え、ミッションやビジネスモデルの語り方を磨いていく。自分自身や周りの人たちを見ていても、だいたい1年ぐらいかけると、自分なりの「ネットワーク」ができてくる。

 「ネットワーク」というのは、「外」だけでつくるものではない。組織の「内」での人脈づくりも、組織を動かしていくには重要だ。

 組織の「内」で「ネットワーク」をつくる手っ取り早い方法は、有志を数人集めて社内で勉強会なりイベントを開くことだ。競合の動向を研究するとか、外部講師を招いて講演会を開催するとか、名目はなんでもいい。そういう場には、部門や階層の垣根を越えて、同じ問題意識と熱量を持った人が集まってきやすい。組織のヒエラルキー、ツリー構造を超えた人脈を「内」に持てれば、自分のミッションを前に進める力になる。

ここで重要なのは「オーガナイザー感」、自分で勉強会やイベントを主催することだ。活動の輪の中心を担うことで、周りから信頼を集めやすくなる。取りまとめの実務を担うことで、関わった人との人間関係もつくりやすい。

 社外のイベントに出かけていく勇気やきっかけがない人は、まずは「内」での活動から始めてみることをお勧めしたい。

思いを伝え、「ネットワーク」を広げていくための「プレゼン法」や「ブーメラン効果」について知りたい方は、『一生を賭ける仕事の見つけ方』第4章をぜひご覧ください!(構成:編集部 廣畑達也)

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斎藤祐馬[さいとう・ゆうま]

トーマツベンチャーサポート株式会社 事業統括本部長。公認会計士。
1983年生まれ。中学生のとき、脱サラして起業した父親が事業を軌道に乗せるのに苦労している姿を見て、「事業を立ち上げたばかりの起業家を支援する人がいればいいのに」と何度も思い、やがてベンチャーの「参謀」を志す。
2006年、4度目の挑戦で公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)入社。会計監査やIPO支援業務に携わるものの、スタートアップ期のベンチャーへの支援ができないものかと悩み、単独でベンチャー支援を始める。
2010年、トーマツ内で休眠していたトーマツベンチャーサポート株式会社(略称TVS)の再立ち上げに参画する。従来の公認会計士の枠には収まらない「ベンチャー支援」という活動に対して当初は理解を得られず、社内からは逆風も吹くが、一つひとつ壁を越え、社内外に仲間を増やし、大きく成長するに至った。現在は、「挑戦する人とともに未来をひらく」というビジョンのもと、国内外で奮闘する100名以上のメンバーとともに、ベンチャーだけではなく、大企業、海外企業、政府、自治体などとも協働し、自らのミッションを生きる日々を送っている。自らの思いを「一生を賭ける仕事」につなげたその経験には、大学、企業、自治体などから講演の依頼が絶えない。
2013年4月より、現在は「起業家の登竜門」と呼ばれるようになった「モーニングピッチ」を仲間とともにスタート。これまでに700を超えるベンチャーの登壇を実現したモーニングピッチは、大企業やベンチャーキャピタル、メディアとの出会いの場をベンチャーに提供する、日本有数のプラットフォームとなっている。


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