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日銀有力OB2人が語る金融緩和「限界論」と総括検証の行方

早川英男(富士通総研エグゼクティブ・フェロー[元日銀理事])×門間一夫(みずほ総研エグゼクティブエコノミスト[前日銀理事])

週刊ダイヤモンド編集部
2016年9月5日
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日本銀行が「異次元」の金融緩和に対する総括的な検証を9月下旬に公表する。この結論が日本の金融政策の大きな転換点になるのは間違いない。日銀の金融政策はどこに向かうのか。日銀の有力OB2人にインタビューし、再構成した。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 山口圭介)

 さらなる緩和か、それとも縮小か──。日本銀行が今、自ら推し進めてきた金融緩和の分水嶺に立っている。9月20、21日の金融政策決定会合で、2013年4月に始まった「異次元緩和」と称される大胆な量的・質的金融緩和についての総括的な検証を行うのだ。

 異次元緩和によって2年程度で2%の物価上昇を実現するとしていたが、3年超が経過してもなお、達成のめどが立たない現状を踏まえた緊急措置だ。

 緩和効果が大きいとの結論が出れば、さらなる追加緩和が期待される一方、緩和の副作用が強調されれば、緩和縮小の可能性もあり、市場関係者の間でもどんな結論が出るか意見が分かれている。

 ただ、今年に入ってからは、金融緩和の限界論が指摘されるようになり、日銀の「身内」からも同調する声が聞こえてくる。

 日本銀行のチーフエコノミストに当たる「調査統計局長」を長く務め、日銀屈指の理論派として鳴らした富士通総研エグゼクティブ・フェローの早川英男氏は特に手厳しい。

はやかわ・ひでお/1977年に東京大学経済学部を卒業後、日本銀行に入行。調査統計局長(2001~07年)、名古屋支店長などを歴任。13年に富士通総研に入社。Photo by Takahisa Suzuki

早川「従来のストーリーが崩壊していることは明らか。当初目標に掲げた2%インフレの達成は遠のく一方で、日銀が使える金融政策の手段には強く限界が意識され始めている。

 IMF(国際通貨基金)も8月に発表した報告書で、今の日銀の金融政策では2%の実質成長も、20年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化もアウトオブリーチ(手が届かない)、かつ金融政策も財政政策も限界に近いと警告している」

 異次元緩和の導入直前に日銀を退職した早川氏は、「異次元緩和が成功するとすれば、短期決戦のケースに限られる」と主張していたが、結局、長期戦に突入してしまい、戦局は悪化していった。

 早川氏の後任として調統局長に就いたみずほ総研エグゼクティブエコノミストの門間一夫氏は5月に日銀理事を退任したばかりで、異次元緩和を一定程度、評価している。

門間「限界といっても、3年前に比べれば経済は明らかに良くなっており、デフレスパイラルを防止するということについて、日銀の金融緩和の力が証明されたと考えている。海外の中央銀行もその点は評価している。ただ、限られた期間中に金融政策の力だけで特定の物価上昇率を実現することが難しいということも分かってきた」

 一方で13年の異次元緩和、14年10月の「ハロウィン緩和」などに続く、次なる緩和バズーカについては懐疑的だった。

門間 「理論的にはあり得ても、具体的にどういう手段があるのか、見当がつかない」

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