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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

会社役員の年収が高すぎると感じる理由

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第50回】 2016年9月12日
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役員報酬1億円は高い?それとも安い?

 1億円以上の報酬を得ている上場企業の役員は、有価証券報告書でその事実を開示する義務があり、現在、その数は約500人と言われている。下世話なことだが、報酬の話は社員の間でもっとも盛り上がる話題となる。

 「え~、あの人が1億円???」「なぜそんなにもらえるの?」「社長におべんちゃらを言ってお手盛りしてもらっているのではないの?」などといったものだ。

 しかし、優良といわれる上場企業の役員の報酬の算出方式は、会社ごとにだいたい決まっている。固定部分が多い企業もあれば、利益額とのリンクで支払われるボーナスが多い企業もある。現金主体の会社もあれば、株式報酬の比率が高い会社もある。最近は、報酬の透明性を高めるための報酬委員会の設置も一般化してきた。

 ところで1億円の報酬というのは、高いのだろうか。はたまた安いのだろうか。上場企業であれば、普通の管理職でも年収1000万円に達することもあるから、その約10倍である。それだけ払う価値はあるのだろうか?

報酬額を決める「職責」と「能力」
“能力”を見るから1億に納得できない

 報酬の決定方法には、大きく2つパターンがある。1つは「職責の重さ」に応じて。もう1つは、その人の「能力」に応じて支払われる方法だ。一般社員の給与も、職務のグレード(職務等級)か職能資格に応じて支払われるから、それに準じて考えればイメージしやすいかもしれない。

 「職責」で役員報酬を見ると、1億円は高くないと感じるのではないだろうか。例えば、それなりに大きい上場企業の専務や常務クラスになると、部下が1000人、2000人いるのも当たり前。その人がGOと言うかNGと言うかの意思決定が会社の業績に与える影響や責任は大きい。

 また、未来への方向付けを正しく行えるかどうかは極めて重要だ。スピーチ一つにしても、巧みに行うか、下手かで社員数千人のやる気に影響を与える。ステイクホルダーとの関係性を上手に保ち、支援を取りつけられるかも重要だ。こうした数々の仕事の職責や影響力の大きさを考えれば、普通の管理職が抱えている職責の10倍などというものではないだろう。そう考えれば1億円が高いとはいえない。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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