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岸博幸のクリエイティブ国富論

日本の外交無策という北朝鮮“暴挙”の遠因

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第116回】 2010年11月26日
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 北朝鮮が韓国の延坪島に砲撃を行なったことに対し、メディアの多くは北朝鮮問題という独立の事象と捉えて報道しており、菅総理のコメントや政府の対応も同じようなスタンスになっていますが、そうした捉え方だけでは不十分ではないでしょうか。日本の外交の迷走がこの問題に少なからず影響を与えているのであり、その意味で日本政府の責任も重いことを忘れてはいけません。

北朝鮮の思惑

 私はかつて、1994年の朝鮮半島危機後に設立された朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)に出向し、北朝鮮問題に3年間従事しました。北朝鮮には6回行き、合計滞在期間3ヶ月弱。地方都市にも何度も行きました。ちなみに、米国のボズワース北朝鮮担当特別代表はKEDOの初代事務局長です。そのときの経験から、個人的な憶測としては、北朝鮮は今回の砲撃を更に拡大することはないと思います。

 なぜ砲撃したかについては、専門家の方がコメントしているように、いろいろな可能性が考えられます。金正恩が金正日の後継として表舞台に出る一方で劣悪な経済状況が続いているので、国内の不満を抑え求心力を高めようとしたのかもしれません。6カ国協議を有利な形で再開する、または米朝協議を優先することを狙ったのかもしれません。

 ただ、ボトムラインとして、北朝鮮は中国を怒らせることはできないはずです。食料やエネルギーなど、様々な面で中国の支援と後ろ盾を必要としているからです。中国は朝鮮半島が戦争状態に入ることは絶対に望みませんから、北朝鮮はこれ以上の軍事行為には踏み込まないのではないでしょうか。

 もちろん、上層部の命令の不徹底などに起因する北朝鮮軍の末端レベルでの偶発的な暴走が起きる可能性は否定できません。自分の経験から、北朝鮮の指揮命令系統は意外としっかりしていないと感じるからです。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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