ウィキリークスが、またもや大量の機密文書公開に踏み切った。

 「国際的内部告発サイト」として知られるウィキリークスは、今年すでに2回にわたってアフガニスタン、イラク両戦争におけるアメリカ軍の戦闘ログ(記録)合計49万件を公開、大きな波紋を呼んだ。これで機密文書はもう出し切ったのだろうと思っていたら、そうではなかった。

米国務省と全世界にある拠点との
公電が暴露された

 今回おおやけにされるのは、世界各国にある274の米国大使館、領事館とワシントンの国務省との間で交わされた外交公電だ。1966年12月から2010年2月の間に通信されたもので、その数は実に25万1287件に達する。公開は第1弾が11月28日に行われ、その後断続的に続くようだ。

 前回、前々回の戦闘ログは軍内部の情報で、地域もアフガニスタン、イラクと比較的限定されたものだったが、今回は違う。中東、ロシア、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米と世界にまたがり、内容も外交、内政、経済、テロ、人権、国連安保理事会などに広範囲に渡っている。

 つまり、ウィキリークスの力がほぼ世界中に飛び火し、各国はアメリカ外交の本音を見せつけられるはめになったのだ。ヒラリー・クリントン国務長官は各国に電話を入れ、情報漏洩に関して謝罪しているところらしい。

 国別で言うと、東京の米国大使館発公電は米国(国務省)、アンカラ(トルコ)、バグダッド(イラク)発のものに次いで、4番めに多数の文書が公開されることになっているが、まだサイトには掲載されていない模様。米軍基地移転問題、民主党政権などに対して、アメリカが内部でどんなやりとりを交わしたのかが、いずれ明らかになるだろう。