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部下に悩む 上司のための心理学
【第10回】 2009年7月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
衛藤信之 [心理カウンセラー]

やみくもに怒ってはダメ!
部下がやる気をなくさない注意の仕方

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部下の誤った行動はわざとではない

 相手の行動を評価したり、相手に行動を強制するメッセージ、これを「他者評価メッセージ」と言いました。これに対して、自分の素直な気持ちを伝えるメッセージを「自己開示メッセージ(セルフディスクロージャー)」と言います。

 前回に引き続き、昼休みにレポート作成に追われる上司であるあなたが、談笑をしている部下の会話に気をとられ、苛立っている状況を想定してみます。

 まず考えていただきたいのですが、レポートを書いているあなたと、隣の席で談笑している部下、このとき、困っているのはどちらでしょうか?

 答えは簡単です。レポートを書くことに集中できないあなたです。ですから、本来あなたが主張すべきは、その「困っているという状況」なのです。

 自己開示メッセージの基本は、「私が困っているのだから、その困っている状況を、『私』を主語にして伝えていこう」ということです。

 私たちは、不満に感じる出来事が起こると、その出来事をもたらした相手の行動が悪いのだと決めつけ、それを修正しようとします。そのときの言い方は、相手を主語にしたメッセージになります。これは相手の行動を評価し、時としてとがめる言い方になってしまいます。たとえば「(おまえは)うるさいんだよ、静かにしろ!」のように。

 しかし、相手はあなたを困らせようとして談笑しているのではなく、相手にとってはごく当たり前の行動をしているに過ぎないのです。これは、人間関係を良好に保つうえで、とても重要な認識です。

 ですから、困った状況が発生したら、その困っている状況を素直に伝えるべきです。

 たとえば次のような具合です。

 「(私は)実は、1時までに仕上げないといけないレポートを書いているんだけど、君たちの話が耳に入ってしまい、どうも文章に集中できなくて困っているんだ」

 これが自己開示メッセージです。

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衛藤信之 [心理カウンセラー]

日本メンタルヘルス協会代表。心理学の学派や権威にとらわれずに、難しい理論を面白おかしく説明できる逸材として、語りでは吉本風心理学の異名をとる。心理カウンセラーのなかでは顧問企業数はトップクラス。講演や研修を行うかたわら、全国で心理学のゼミナールを開催。著書に『心時代の夜明け』(PHP研究所)などがある。


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