経営×総務
なぜ、「戦略総務」か?
【第4回】 2016年10月6日
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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

総務が「小さな依頼」ほど素早く対応したほうがいい理由

戦略総務に必要な10ヵ条【2】小さな工夫を即アクション

「できて当たり前、失敗すると怒られる」

 総務は因果な仕事である。専門性が必要なく、誰でもできる仕事をしていると思われている。結果、その仕事は普通にできて当たり前であり、少しでも失敗、ミスをすると怒られる。しかも、そのような雑務と言われる仕事、言われてする仕事に忙殺されてしまう。モチベーションを上げるのに苦労する。

 そうした中で仕事をしている「総務のモチベーション」とは一体何だろうか? 多くの総務担当者がその答えを、現場社員からの「ありがとう」に求めている。言われてする仕事であっても、それを依頼した本人からは「ありがとう」という声は掛けられる。その「ありがとう」を求めて、"いい意味"で依頼者の期待を裏切る。「即アクション」はその一つの方策である。

 私もリクルートの総務時代、「小さな依頼事項」ほど素早く対応したものだ。小さな依頼事項は依頼する側の期待はそれほど高くない。いつか対応してもらえれば良い、そんな依頼である。それを間髪入れずに対応すると、相手は驚き、その積み重ねが総務の評判を高めていくことになるのだ。それが結果的に総務のモチベーションを上げることにつながっていく。

「売れる総務」で成果を上げる

 ところで、「売れる総務」という言葉があるのをご存じだろうか。これは、総務担当者が自分のアイデアを売る、自分のアイデアを買ってもらう、という意味である。

 総務の分野で「総務のプロ」と呼ばれる人たちは「成果を上げることができる人」だ。総務という業務で成果を上げるには、自らのアイデア、施策を上司や経営に採用されないと始まらない。だから、自らのアイデアを売れる総務となる必要があるのだ。では、「売れる総務」になるためには、どうしたら良いのか?

 ファシリティサービス・オフィスサービスや 総務事務等の業務に従事する人たちの専門性と地位向上のために活動を続ける一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアム(FOSC)の副代表理事、クレイグ・カックスさんが提唱している「FMクレド15か条」(http://www.fosc.jp/credo)の12番目に「評判管理と期待管理」というクレド(基本方針)がある。現場社員の期待を上回る仕事をして、総務の評判を高めることの必要性を謳ったものだ。

 売れる総務になるためには、総務自身が社内での評判を高めないといけない。「あいつがやることはいつも結果を出している、だから今回も採用しよう」、そのような評判である。評判を高めるには、日々の仕事を期待を上回るスピードで対応する、少し工夫して期待以上のパフォーマンスを上げることがその一つの方策である。だから「小さな工夫を即アクション」が重要になる。

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豊田健一 [『月刊総務』編集長]

【経歴】早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』の取締役、事業部長兼編集長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの理事や、総務育成大学校の主席講師、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。著書に『マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター刊)『経営を強くする戦略総務』(同)など。

 


なぜ、「戦略総務」か?

総務を単なる「社内の縁の下の力持ち」ではなく、コア業務の担い手、つまり"戦略総務"にすることが、会社を変革するための重要な戦略となる――。なぜ今、戦略総務なのか。その必要性について考える。

「なぜ、「戦略総務」か?」

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