経営×統計学

世界トップ調査機関に聞く 満足度調査は最初が肝心

 顧客満足度を知りたい──。そうしたニーズを持つ企業は多いだろう。しかし、調査してみたはいいが、結果が生かせずに、骨折り損をした経験はないだろうか。

 餅は餅屋に聞くのが一番。そこで、世界トップの満足度調査機関である、米調査会社JDパワー アジア・パシフィックの鈴木郁社長に満足度調査実施のポイントを聞いた(表3‐6参照)。

 まず、調査対象を決める際には、調査サンプルに偏りがないか考えなければならない。9対1の割合で女性が利用している商品を、男女比5対5で調査しても、いい結果にはつながらないからだ。もしデータが目安としていた割合で取りにくければ、集計するときに一定の割合に合わせて補正してもよい。いずれにせよ、サンプル数は最低100欲しいところだ。

 質問を行う際、気を付けたいのは製品・サービスについての満足度だけを聞かないこと。例えば製品であれば、その購入店の様子やスタッフ対応、アフターサービスまで含めて尋ねなければならない。どんなに良い製品でも、お店のスタッフ対応が悪ければ満足度が大きく下がるのである。

 アンケートにおける質問文も十分に練らなければならない。業界用語や専門用語は使ってはならないし、あいまいな表現も避ける。一つの質問で聞くことは一つにするなど、なるべく平易にすることだ。

 もっとも、自社についてだけ満足度を聞いても意味がない。満足度を評価するには、競合の他社製品・サービスや業界平均と比較することが重要になる。

 「大きく企画、データ収集、分析の順に調査は進むが、大事なのは何といっても最初の企画段階。調査を始めるならば、利用実態なのか、商品開発につなげたいのか、何を知りたいのかを明確にすることが何より重要だ」(鈴木社長)

 調査してみたら何か分かるかもしれない、という発想では、結局何も分からないのである。

(記事転載元:『週刊ダイヤモンド』2015年1月31日号特集「自由自在!統計学」P59/編集スタッフ:河野拓郎、小島健志、竹田孝洋、前田 剛、田原 寛(本誌嘱託記者))

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週刊ダイヤモンド編集部


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