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エコカー大戦争!

技術で勝ってもビジネスで負ける?
日本が電気自動車で辿りかねない「いつか来た道」
~中国とドイツのきな臭い動きは何を意味するのか

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第66回】 2010年12月22日
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 日産自動車は2010年12月3日、電気自動車「リーフ」を同年12月20日から日本全国で発売すると発表した。一方、ホンダは同年12月16日、電動二輪車「EV-neo」を同年12月24日から全国でリース販売すると発表した。

 この他にも、今秋以降、日本国内の小規模事業者による小型電気自動車の販売発表や、地方大学や地方自治体での電気自動車開発など、電気自動車絡みの報道が相次いでいる。

 こうした一連の流れを受けて、一般の人々は「電気自動車が本格普及期に入った」という印象を抱いていることだろう。そして、日本=電気自動車先進国、と思われているかもしれない。

トヨタ「iQ」をベースとした電気自動車。車体前部に交流普通充電用と直流急速充電用のコネクターを持つ。2012年の量産時に搭載するリチウムイオン二次電池のメーカーについては現時点では非公開。

 しかし、現実は厳しい。

 世界では今、「電動車技術のイニシアティブ争い」が激化している。焦点となっているのは「電池の世界標準化」である。電池といっても、電池個体である「セル」、セルの集合体で温度関連などの制御システムが組み込まれている「モジュール」、さらにはモジュールの集合体で車両搭載される際の電池の箱となる「電池パック」など、世界標準化に関する「電池」という言葉に含まれる内容は多岐に渡る。

 そうした「標準化争い」のなかで、日本は今、微妙な立場に置かれているのである。詳しくは後述するが、ひとつ間違えば、半導体、太陽光パネル等の過去の苦い体験を繰り返すことになりかねない。「技術で勝ってビジネスで負ける」というあの苦い体験である。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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