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高齢者は資産運用を金融マンの「人柄」で決めてはいけない

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第449回】 2016年10月26日
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 10月24日(月)のNHK総合テレビ「あさイチ」では、高齢者のお金の問題を取り上げていた。

 筆者は、番組内のVTRで、投資信託や外国債券を証券会社に頻繁に売買されて運用資産を大きく減らした高齢者の売買記録にコメントしたが、そもそも高齢者には理解不能と思える商品(複雑な投資信託や外貨建て債券など)を明らかに手数料稼ぎのために頻繁に売買された酷いものだった。

 この方ほど酷いケースは稀だとしても、明らかに不適切な運用商品に投資して大きな損を被った高齢投資家は筆者の周りにも複数いるし、この方よりも酷い目に遭っている高齢投資家もいないではない。

 日本の金融資産の圧倒的に大きな部分を高齢者が持っている以上、高齢者が金融機関のリテールビジネスのターゲットとなることは自然だが、高齢者には高齢者特有の判断ミスの癖が幾つかあるように思われる。

 本稿では、高齢者がお金を運用する上で特に気をつけておきたいポイントを3つご説明する。もちろん読者の役に立ちたいとも思っているが、読者の親御さんや知り合いなど、身近に高齢でお金を持っている人がいる方は、ぜひ拙稿のポイントを彼らに伝えてあげていただきたい。

<ポイント1>
お金の問題を「人」で判断しない

 高齢者のお金の運用にあって、最も深刻な癖は、商品やマーケットの内容・状況によってではなく、金融商品を勧める「人」に対する判断によって、運用行動を決めることだ。

 非常に多いのは、金融機関の営業担当者個人に信頼を寄せて任せきりにしてしまうケースだ。例えば、「私は、米国のリートとか、ブラジルレアルとかのことは、正直言ってよく分からないけれども、○○銀行の××さんは、とっても真面目でいい方なので信用している。難しいことは専門家に任せるのが一番だ」と思って、××さんに勧められるままに、退職金を全額投資信託に投資するようなケースだ。

 例えば、通貨選択型の投資信託の仕組みを他人に説明できるほど理解している高齢者は稀だろう。しかし、高齢者は、自分は他人の人柄を判断できると思っており、金融マンが親切に接してくれることも相俟って、自分のお金の運用を全面的に任せてしまう。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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