第4次産業革命を推し進めるには
サイバーセキュリティが不可欠

 私が本会議座長を務める「Cyber3 Conference Tokyo 2016」(以下、サイバー3)が今年も11月18、19日に六本木アカデミーヒルズで行なわれます。サイバー3は、世界各国の閣僚や世界的な企業の経営者、著名な研究者などハイレベルなキーパーソンが集結する「サイバーセキュリティ」に関する国際会議で、昨年、沖縄県名護市で初めて開催されました。今回は第2回、しかも2020年オリンピックを控え、世界中から注目が集まる東京開催ということで、前回以上に充実した会議を目指して奔走しているところです。

 今、日本政府の成長戦略では、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータなどを活用した第4次産業革命によるGDP成長が掲げられています。こうしたテクノロジーをビジネスで実用化していくことが日本経済の成長につながるのはもちろん、人口減少、高齢化という課題先進国として、いち早く適切な処方箋を生み出す好機でもあります。

 このようなインターネットを前提とした第4次産業革命を推し進めるにはサイバーセキュリティが不可欠です。悪意のある攻撃は世界中のあらゆる地域から発信されていますから、グローバルな経験や知恵を結集して立ち向かうことが必要なのです。

インターネットは石油に代わる
“次世代の資源”

「なぜ、サイバーセキュリティが重要なのか?」そう聞かれると、私は次のように説明しています。

 遡ること10年前、時価総額トップ10に入るグローバル企業の多くは石油関連でした。ところが2016年の現在、わずか10年のうちにその顔ぶれはガラリと様変わりしています。上位に名を連ねるのは、アップル、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックといったICT系の新興企業ばかり。このような変化から、インターネットを「ニューオイル」と呼ぶメディアや識者もいます。インターネットは、すでに石油に代わる次世代の最重要資源になっているというわけです。

 この1年を振り返っても世の中は大きく変容しています。人間の頭脳を超えるほど急激に進化した人工知能、仮想通貨の普及を推し進めたブロックチェーン、金融業界の常識を覆すフィンテック、自動車や家電、医療機器のIoT化など、IT技術の進歩はとどまるところを知りません。こうしたトレンドワードの大半は、クラウドやビッグデータといったインターネットを前提とした技術がなければ不可能。今後、IoTの時代になれば、社会インフラがすべてインターネットによって管理されることになります。