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齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

日本のビジネスパーソンたちへ
「サイバー3」から読み解くニッポン躍進の鍵

齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]
【第21回】 2016年3月2日
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今後、IoTはますます進化の速度を上げて、世界を変えていくでしょう。齋藤ウィリアム浩幸氏は、昨年11月、沖縄名護市で開催された『サイバー3(Cyber3)カンファレンス沖縄2015』のキーパーソンとして、この会議の実現に尽力しました。はたして、サイバー3から読み解くべき示唆とは何なのか。齋藤氏からのメッセージをお届けします。

「サイバー3」とは、どんな会議だったのか

 2015年11月7日から8日にかけて、沖縄県名護市の『ザ・ブセナテラス』を会場に『Cyber3 Conference Okinawa 2015』(以下『サイバー3』)が開催されました。サイバー3は、世界各国の閣僚や世界的な企業の経営者、著名な研究者などハイレベルなキーパーソンが集結する、「サイバーセキュリティ」に関する国際会議です。

 アジェンダとして掲げたテーマは3つあります。

【1】サイバーコネクション
IoTを中心としたテクノロジーについてのテーマを分析するとともに、インターネットとの関わりを未来へどう繋げていくか。

【2】サイバーセキュリティ
サイバー空間の安全性向上や悪意ある攻撃からの防御のため、世界中の異なる組織がどのように互いに協力していけるのか。

【3】サイバークライム
グローバルなステークホルダーが、サイバー犯罪の増加を抑止するために、情報交換や国境を越えた協力をどのように最大限活用していけるのか。

 主催は内閣府で、35の国と地域から409名が参加。議論は全て英語で行いました。実に58社のメディアが沖縄まで取材に来てくれて、NHKをはじめとする日本国内のメディアはもとより、アメリカの『ニューヨーク・タイムス』にも大きく取り上げられるなど、サイバーセキュリティに関する世界の関心の高さを裏付ける機会にもなりました。

ICT(情報通信技術)は「日本の弱点」

 カンファレンスのサマリーや動画などは、公式サイトで公開されています。ここでは、サイバー3を通じて改めて確認できた「日本が躍進するためのポイント」について、私なりに整理してお話ししていきましょう。

 まず、最初のポイントは、実は今、ICT(情報通信技術)が「日本の弱点」になっていて、日本企業が競争力を失う原因になっています。日本企業、すなわち、ビジネスパーソンは素直にその事実を認め、ICTやサイバーセキュリティについての意識を変える必要があるということです。

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齋藤ウィリアム浩幸 [内閣府本府参与]

さいとう・ウィリアム・ひろゆき
1971年ロサンゼルス生まれの日系二世。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部卒業。高校時代に起業し、指紋認証など生体認証暗号システムの開発で成功。2004年に会社をマイクロソフトに売却してからは日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカーを設立。有望なスタートアップ企業を育成している。12年には、総理大臣直属の国家戦略会議で委員を拝命し、国会事故調査委員会では最高技術責任者を務めた。また13年12月より内閣府本府参与に任命されている。世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2011」選出。2015年6月より、パロアルトネットワークス合同会社副会長に就任。著書に『ザ・チーム』(日経BP社)、『その考え方は、「世界標準」ですか?』(大和書房)。

ご意見は、ツイッター@whsaitoまで。

 


齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機

歴史的に、世界に挑むチャレンジ精神は本来、日本人が持っていた気質。しかし今の時代、日本のお家芸“ものづくり”だけでは新興国に負けるのは火を見るよりも明らかだ。成長へと反転攻勢に転じるために必要なものは何か――。それは革新的なイノベーションを起こすための「世界標準の思考」に他ならない。気鋭の起業家であり、技術者である筆者が、日本が再び世界をリードしていく道はなにかを説く。

「齋藤ウィリアム浩幸 日本の欠落、日本の勝機」

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