「営業PDCAサイクル」とは

前回、営業マネジャーの仕事は営業マンとはまったく違うという話をしました。では、営業マネジャーの仕事とは何でしょうか。簡単にいうと次の2つです。

●営業マネジャーの仕事
(1)営業PDCAサイクルを回す
(2)部下のモチベーションを上げる

 ここで「営業PDCAサイクルって何?」と思われた方もいるかもしれません。しかし、単なる「PDCAサイクル」なら知っている方も多いのではないでしょうか。

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(検証)」「Action(改善)」という一連のプロセスを回していくことを指します。もともと製造業の用語で、すべての製造業はPDCAサイクルを回すことによって生産の質を高めています。

 モノをつくる時は、生産計画を立て(P)、計画に基づいてモノを生産します(D)。生産したら、それが計画通りに行われているかどうかを検証し(C)、不具合を改善します(A)。こうしたプロセスを延々と繰り返していくわけです。

 例えば、月100台の乗用車をつくる計画を立てたのに、実際には80台しかつくれなかったとします。原因を調べてみると、組立工程のコンベアの調子が悪く、故障がちだったために生産が予定通り進まなかったことがわかりました。そこで、そのコンベアを修理しました。そして、また新たな生産計画を立て、実行し、検証し、改善する……これが「PDCAサイクルを回す」ということです。

 PDCAサイクルは製造業だけの話ではありません。あらゆる業務においてPDCAサイクルが回っていなければ、その業務の質は上がりません。言い換えれば、競争力が上がらないということです。このPDCAサイクルを営業活動に応用したものが「営業PDCAサイクル」なのです。

 「営業PDCAサイクル」は、具体的に次のようなプロセスになります。

●営業PDCAサイクル
(1)計画(P)……売上計画を立てる
(2)実行(D)……営業活動を行う
(3)検証(C)……売上が計画に達しているか、達していなければその原因を考える
(4)改善(A)……営業活動の方針や進め方を改める