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外科医のつぶやき

生きがいの源泉は“命を託される”ことにあり

柴田 高
【第24回】

 101匹ワンちゃんに出ていたダルメシアンとトイプードルを私の家では飼っている。夜の仕事、接待があったときでもあまり遅い時間でなければ夜、妻と一緒に散歩に出かける。私はトイプードルの担当である。散歩に連れていくというより、散歩に連れていってもらっていると言ったほうが的を射ているだろう。なぜなら、家での私はペットみたいな存在だからだ。

 一方、家の外へ出た私は会社の業績や、従業員の仕事ぶり、そして政治や経済問題まで気になり、良くしたいという思いが生きがいになっている。あるときふと、医者の生きがいってなんだろうと考えてみた。

 大学を卒業して2年目、チーム医療が中心の救命センターでの研修を終えた私は、地元の市民病院の外科へ異動となった。当時、まだまだ医師不足で研修医と呼ばれる制度はその病院にはなく、いきなりのスタッフである。すなわち、手取り足取り教えてはもらえないし、業務も研修というような受け身の立場でなく、外科医としてのノルマと責任がすぐに課せられた。

 「この病院は外科医が少ないから救急の比較的簡単な手術は外科当直のスタッフ一人で、看護師さんに手伝ってもらうことになっています。早く手術を覚えて独り立ちしてくれないと、病院がまわらないからね」

 と医長のH先生。

 その数日後「先生、今から盲腸の手術です。手順教えるからついてきてください」とH先生。「はい」と言いながら私は手術室へ向かった。

 「まず、点滴を入れてください」とH先生。私はあわてて静脈留置針をとり、患者さんに声をかけ針をさした。「横になって背中を丸めてくださいね」と看護師さんのかけ声をききながら、私は腰椎麻酔の針を背中に刺した。そしてH先生の手術が始まった。

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柴田 高

川崎医科大学卒業後、大阪大学論文博士課程修了。日本外科学会指導医。日本消化器外科学会専門医。現在は大幸薬品社長。著書に『カリスマ外科医入門』『肝癌の熱凝固療法』がある。


外科医のつぶやき

現在は製薬会社役員である外科医師による医療エッセイ。患者の知らない医師の世界。病院の内側が覗ける、ここだけの話が満載。

「外科医のつぶやき」

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