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相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

県知事・市長・市議会リコール住民投票!
河村どえりゃー庶民革命の意義を問う
愛知・名古屋トリプル決戦「1票の重み」

相川俊英 [ジャーナリスト]
【第16回】 2010年12月29日
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 宮崎県知事選が12月26日投開票され、予想通りの結果となった。当選者は一期で退任する東国原英夫知事の事実上の後継候補で、前副知事(総務省出身)の河野俊嗣氏。民主党や自民党、公明党の各県連の支援も受け、同じ新顔3人を大差で退けた。もっとも、有権者にすれば選択肢の乏しい選挙で、はなから勝敗の行方が見えていた。政策論争も低調で、県民の関心を集めることなく終わった。投票率は過去最低の40.82%に留まった。4年前に宮崎県内を席捲した「どげんかせんといかん!」という言葉を耳にすることもなくなった。それは宮崎県が「どげんかなった」からではない。県内は一大ブームが過ぎ去ったかのような寂寥感に覆われていた。

 同じ知事選ながら対照的なのが、愛知県である。来年1月20日に告示され、2月6日投開票の予定だが、有力候補が次々に名乗りをあげ、早くも白熱した論戦が展開されている。5人の立候補予定者が12月22日に一堂に会し、公開討論会(名古屋青年会議所主催)に臨んだ。

 「県民税減税を公約の一番に掲げている。10%減税で約350億円。名古屋市の市民税減税と合わせ600億円弱になる。試算では1300億円から2000億円の国内総生産押し上げ効果がある」

 こう語ったのは、大村秀章衆院議員だ。名古屋市の河村たかし市長と連携し、知事選出馬を決意。同時に、地域政党「日本一愛知の会」を立ち上げた。自民党から除名処分を受け、現在、異議申し立て中だ。

 大村氏の参戦により、減税が知事選の争点の一つに浮上した。他の立候補予定者も減税について自らの考えを明らかにした。自民党県連推薦の重徳和彦氏(元総務省課長補佐)は「減税はやるべきだが、プランニングが必要だ」とし、「税収に余裕が出てきた時に投資か借金返済か減税かという三つの選択肢をどう組み合わせるかを考えることが大事。あらかじめ10%減税と決めるとごり押しになる」と、冷静に語った。民主党推薦の御園慎一郎氏(元総務省審議官)は「減税論議は景気が良くなってからで、今の段階では減税はやれない。やるとしても、一律減税では目的がはっきりせず、福祉目的などに絞るべきだ」と、慎重論を展開した。

 減税反対を明確にしたのが、みんなの党の薬師寺道代氏(医師)だ。「減税は体のよいバラマキだ。雇用や教育、医療介護の体制を整え、生活の不安を取り除くのが第一で、順番が逆」と、ズバっと語った。一方、共産党推薦の土井敏彦氏(医師)は「生活が苦しい中、減税が期待されていると思うが、私は国民健康保険料を1万円引き下げる形での減税をしたい」との考えを示した。

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相川俊英 [ジャーナリスト]

1956年群馬県生まれ。放送記者を経て、1992年にフリージャーナリストに。地方自治体の取材で全国を歩き回る。97年から『週刊ダイヤモンド』委嘱記者となり、99年からテレビの報道番組『サンデープロジェクト』の特集担当レポーター。主な著書に『長野オリンピック騒動記』など。


相川俊英の地方自治“腰砕け”通信記

国政の混乱が極まるなか、事態打開の切り札として期待される「地方分権」。だが、肝心の地方自治の最前線は、ボイコット市長や勘違い知事の暴走、貴族化する議員など、お寒いエピソードのオンパレードだ。これでは地方発日本再生も夢のまた夢。ベテラン・ジャーナリストが警鐘を鳴らす!

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