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人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成
【第22回】 2016年12月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
中原淳 [東京大学 大学総合教育研究センター 准教授]

マネジャーと現場との「認識ギャップ」を埋めるには?
店長はスタッフに応じて「演じる」

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(店長)「今日の売上は目標比140%達成!!これもみんなのおかげだ。ありがとう!!」
(スタッフ)「あ、はい…(今日はやけにテンションが高いな)」
(店長)「来月はみんな一丸となって150%を目指そう!!」
(スタッフ)「店長、そういう体育会系的なノリ、苦手なんですけど…」

日々、さまざまな取り組みをしているのに、なかなか効果が出ない。その理由の1つは、店長が「できているつもり」になっていることもあるかもしれない。このような「認識のズレ」を埋めるためには、職場にいるスタッフの属性をしっかり押さえて、「役者」になりきる大胆さが求められる。最新刊『アルバイト・パート[採用・育成]入門』から一部を紹介しよう。

店長は「できているつもり」でも現場は…

スタッフたちの早期離職を防ぐためには、「店長に対する信頼」や「スタッフ間の良好な関係」をつくるような職場づくりの取り組みが欠かせない。これまでそんなことをお伝えしてきましたが、なかには「そんなことは百も承知。とっくにやっているし、できているよ」と言いたくなる方もいることと思います。

そこでまず見ていただきたいのが、下図のデータです。

■店長とスタッフのあいだの「認識ギャップ」

店長と現場スタッフとのあいだには、こんなに認識のギャップがあります。入社後のコミュニケーションについても、店長とアルバイトとのあいだにはズレがあることが見て取れます。

グラフを見れば一目瞭然ですが、どの項目についても店長のほうがスタッフよりも「やっているつもり、できているつもり」になっていることがわかります。

早期離職に限らず、アルバイトが辞めていってしまうときに、店長としては「こっちがあそこまでやっていたのに、どうして辞めるの?」という気持ちになることがあるかもしれません。そういうときは、アルバイトにそもそも店長の意図が“伝わっていない”可能性を考えたほうがいいでしょう。

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中原淳(なかはら・じゅん) [東京大学 大学総合教育研究センター 准教授]

東京大学大学院 学際情報学府(兼任)。東京大学教養学部 学際情報科学科(兼任)。大阪大学博士(人間科学)。
1975年北海道旭川生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、2006年より現職。
「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、リーダーシップ開発について研究している。専門は経営学習論(Management Learning)。
著書に、『会社の中はジレンマだらけ』(光文社新書)、『アクティブトランジション』(三省堂)、『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)、『企業内人材育成入門』『研修開発入門』『ダイアローグ 対話する組織』(以上、ダイヤモンド社)など多数。


人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成

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