(店長)「今日の売上は目標比140%達成!!これもみんなのおかげだ。ありがとう!!」
(スタッフ)「あ、はい…(今日はやけにテンションが高いな)」
(店長)「来月はみんな一丸となって150%を目指そう!!」
(スタッフ)「店長、そういう体育会系的なノリ、苦手なんですけど…」

日々、さまざまな取り組みをしているのに、なかなか効果が出ない。その理由の1つは、店長が「できているつもり」になっていることもあるかもしれない。このような「認識のズレ」を埋めるためには、職場にいるスタッフの属性をしっかり押さえて、「役者」になりきる大胆さが求められる。最新刊『アルバイト・パート[採用・育成]入門』から一部を紹介しよう。

マネジャーと現場との「認識ギャップ」を埋めるには?

店長は「できているつもり」でも現場は…

スタッフたちの早期離職を防ぐためには、「店長に対する信頼」や「スタッフ間の良好な関係」をつくるような職場づくりの取り組みが欠かせない。これまでそんなことをお伝えしてきましたが、なかには「そんなことは百も承知。とっくにやっているし、できているよ」と言いたくなる方もいることと思います。

そこでまず見ていただきたいのが、下図のデータです。

■店長とスタッフのあいだの「認識ギャップ」

店長と現場スタッフとのあいだには、こんなに認識のギャップがあります。入社後のコミュニケーションについても、店長とアルバイトとのあいだにはズレがあることが見て取れます。

グラフを見れば一目瞭然ですが、どの項目についても店長のほうがスタッフよりも「やっているつもり、できているつもり」になっていることがわかります。

早期離職に限らず、アルバイトが辞めていってしまうときに、店長としては「こっちがあそこまでやっていたのに、どうして辞めるの?」という気持ちになることがあるかもしれません。そういうときは、アルバイトにそもそも店長の意図が“伝わっていない”可能性を考えたほうがいいでしょう。