ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
ダイヤモンドZAi 注目記事!
2011年1月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
現役金融マン・ぐっちーさん

「株価上昇=景気回復」という思い込みは危険!

 80年代末のバブル崩壊後、日本経済がいまだに回復していないと言われる一方、アメリカはFRBが11月に発表したQE2(追加的量的緩和政策)などの金融緩和政策を矢継ぎ早に実施し、「日本の二の舞にはならない」とベン・バーナンキ議長も発言しています。

 しかし、数々の政策を発動してもアメリカは失業者の増加(=(約)雇用が増えない)に喘いでいます。

 その点、日本はバブル崩壊後も失業率が3%台で推移し、雇用に関しては今のアメリカより安定していました。だからこそ「日本は問題を先延ばしにしているだけで遅い!」と言われたわけですが。

株価指数は堅調でもデフレ化の兆候が!?

 しかし、経済の実態はどうなのでしょうか。住宅バブル崩壊後の両国の経済データを比較すると面白いことがわかります(日本は91年6月、アメリカは06年6月、それぞれ住宅価格がピークだった月を基準に比較しています)。

 まず、NYダウは一度失速したものの、09年3月以降は急回復し、今では住宅バブル崩壊前の水準に戻ってきました。一方、日経平均は下落したまま、今でもバブル崩壊前の水準には戻っていません。日米でずいぶんと経済の回復度合いが違う、と思いますね。

 しかし、今回のNYダウの上昇にはかなり特殊な背景があります。直接金融が発展しているアメリカ(特にNYダウ構成銘柄のような大企業)の場合、今回のように金融機関がまともに機能していないときに乗じて極めて低金利で自ら資金調達することが可能です。

 しかも、その資金で雇用を増やさず、逆にさらにリストラを進め、調達した資金で借金返済と自社株買いをしたのです。その結果、企業収益が上がって株価が上昇した、というカラクリがあるのです。

住宅バブル後の株価指数の動き。アメリカにもデフレの兆候が現れている

 では、CPI(消費者物価指数)、つまりインフレ指数で比較するとどうでしょうか。

 「『10年かかってもデフレを克服できないノロマな日銀』と『多少は失業率が上昇するのを犠牲にしても素早く対応したFRB』は違う」という論調が日本でもアメリカでも多く、いろんなメディアで「アメリカは日本の二の舞にはならない!」と言われています。

 諸条件が違うのは確かですが、しかし実際には大規模な金融緩和にもかかわらず、アメリカでも日本が陥った「デフレ化」の兆候が見られることがわかります。

 ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン先生は「このままいくとアメリカは間違いなく日本の二の舞になる!」と警告し、バーナンキ議長を「Mr. Bernanki」ではなく「Bernanki SAN」と、日本流に呼ぶという皮肉ぶりを発揮しているほどです。

 株価だけを見ていても、その国の経済の実態はわかりません。ぜひ、今後は基礎的な経済データにも注意を払うことをお勧めします。


●筆者Profile
現役金融マン・ぐっちーさん
大学卒業後、丸紅を経て、モルガン・スタンレーやABNアムロなどで活躍。現在もM&Aや地方再生などのディールをこなす一方、07年に「アルファブロガーアワード」を受賞。AERA、SPA!の連載のほか、「THE GUCCI POST」を開設し、経済金融評論家としても活躍中。

※この記事は2010年12月21日(火)発売の月刊マネー誌『ダイヤモンドZAi』2011年2月号に掲載。2月号の特集は「いちばんわかりやすい 2011年大予測」。特別付録はいま話題の「くりっく株365超入門BOOK」。

ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

最強の日本株&投信
株主優待ランキング
カンタン!確定申告

3月号1月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!

【株・投信・確定申告・確定拠出年金の情報満載】
最強日本株5万円株」&「10万円株」番付
最高4%超最強高配当株」番付
●最強「大型株」「中小型株」「新興株」番付
●低コスト「インデックス型」投信番付
好成績日本株」&「海外株」投信番付
健全&高利回り毎月分配型」投信番付
●ザイ読者の保有投信激辛○×判定
桐谷さんの「1日優待デート」完全中継
プロ約40人日本株深掘り予測レポート
マイナンバーに対応!確定申告ガイド
ふるさと納税をした人の確定申告の仕方
株・投信儲けた&損した人の確定申告
分配金配当を受け取った人の確定申告
税金ゼロ!個人型確定拠出年金ガイド

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ


めちゃくちゃ売れてるマネー誌ザイZAiが作った今年こそ!お金持ち入門 2017年 02 月号

永久保存版!
ゼロからの株入門
高配当株で儲け方

別冊12月31日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!

【今年こそ!お金持ち入門】
●これから10年、お金持ちになれる人の条件とは?
●まずは1000万一生お金に困らない人生設計
●これから家は買うべき?借りるべき?
●普通のサラリーマン「はじめてのアパート経営
長く持つほど儲かる増える「高配当株」の選び方
●2017年から始める人の10分でわかる!FX入門
●あっという間に得する「ふるさと納税

Special topics
ダイヤモンド・オンライン 関連記事

DOLSpecial

underline
昨日のランキング
直近1時間のランキング

知っておきたい価値ある情報 ダイヤモンド・オンラインplus

ゴルフ情報サイトOPEN
【ゴルフ情報サイトOPEN】
名門ゴルフ場でプレー 半蔵門ゴルフ倶楽部 名門の条件 東京ゴルフ倶楽部 他
「買い時!」ならば物件探しを
【「買い時!」ならば物件探しを】
新築・土地・中古の物件情報や、住まい探しのノウハウを公開中!

話題の記事

週刊ダイヤモンド

特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約14冊分お得です。さらに3年購読なら最大45%OFF。

ハーバード・ビジネス・レビュー

詳しくはこちら

1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。

ZAi

詳しくはこちら

年間12冊を定期購読すると、市販価格7,150円が6,600円(税・送料込み)でお得 です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売 日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。

Keyword

ダイヤモンドZAi 注目記事!

ダイヤモンド・ザイの最新号から注目記事をオンラインで全文読めるようになりました。その他、ネット証券に関するニュースや使いこなしガイドなど、投資に関する情報を日々お届けしています。