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中学版・受験の真相

本番直前緊急特集!
塾の競争激化で見えなくなった人気動向
2011年度受験の出願傾向を大胆予測

安田賢治
【第5回】 2011年1月7日
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 今年の中学入試は「動向がつかみにくい」と言われている。例年は中学入試の模擬試験の大手である四谷大塚、全国中学入試センター(日能研)、首都圏模試センターが行う“3大模試”の学校別志望者数を前年と比較して分析することで、入試の志望動向を予測していたのであるが、来年度入試分はできなかった。

 上位層の生徒が多く学ぶ大手塾のSAPIX(サピックス)のいくつかの塾内テスト日が四谷大塚の模試と同日になったためである。例年はSAPIXの生徒であっても、多くは四谷大塚の模試を受けており、それが上位層の動向を掴む最善の手段であったのだが、今年は受ける生徒が減少した

 結果、3大模試のデータからでは上位層の動向が見えなくなったのである。

 こうなった背景には「大学受験予備校の競争が中学受験に持ち込まれたため」と見る関係者が多い。というのも、四谷大塚を大学受験予備校の東進ハイスクールなどを経営するナガセが買収。一方、SAPIXは3大予備校のひとつである代々木ゼミナールが買収した。

 この二つの大学受験の予備校は、ともに全国展開しており激しい競争関係にある。少子化により大学の経営は厳しいが、予備校だって同じだ。その競争関係が中学受験に舞台を広げたものと見られている。

 そうはいっても、2011年も中学入試は行われる。当事者にとって見れば、予測困難といわれる中で的確な志望校選びを行わなければならない。読みにくい2011年度の入試を分析してみよう。

最難関校はいままで以上に
受験生が人気校に集中

 まずは最難関校。不況の影響から首都圏の中学受験者は「5%程度は減るのではないか」と予測されており、全体としてみれば入りやすくなりそうだが、保護者の志望校厳選化が進んでおり最難関校、男子御三家の麻布、開成、武蔵、女子御三家の桜蔭、女子学院、雙葉の厳しさには変化はない。そればかりか人気校に今まで以上に受験生が集まり、私立中の二極化が顕著になりそうだ。

 焦点は御三家以外の学校だ。

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安田賢治 [大学通信 常務取締役 情報調査・編集部ゼネラル・マネージャー]

1956年兵庫県生まれ。私立灘中高、早稲田大学政治経済学部卒業後、大学通信入社。現在、書籍の編集とマスコミへの情報提供を担当。サンデー毎日をはじめとする週刊誌などに記事を多数執筆している。著書は「中学受験のひみつ」(朝日出版)。大学通信は、小学校受験から大学受験さらには就職までをカバーする各種案内書やデータ集を発行するほか、各マスコミや学校へ受験情報提供、子どもの学びや学校の広報支援、ブランディング提案も手がける受験情報会社。


中学版・受験の真相

2010年は26万人。全生徒数に占める割合は7.2%で、この比率は30年前の2.5倍。私立中学の在籍者数である。さらに驚くべき数字がある。東京都における私立中学校への在籍割合は26.2%、実に4人に1人が私立を選んでいるのだ。いまどきの中等教育に、お父さんの経験則はまったく通用しない。子どもの教育に父親として責任を果たす、そのためにはまず中等教育の現実を知る必要がある。大学入試の実績分析を通して中学校・高校を見続けて約30年、学校評価の第一人者が中学受験をズバリ解説します。

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