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中学版・受験の真相

10年後は決して遠い未来ではない――中高一貫校の大卒後就職状況

安田賢治 [大学通信常務取締役]
【第9回】 2011年5月6日
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 一貫校の大学への合格状況に詳しい父母は多いが、さらに先の大学卒業後の進路について詳しいかというと、それほどでもない。就職は、かなり先の10年後のことと思っている人が多いからなのか。

 しかし、大学進学時には学部は決まっており、学部によって大学卒業後の進路はあらかた見えてくる。さらにそれ以前に、高校生の時に文系、理系、さらには国公立大、私立大のコースに分かれる一貫校も多い。早いところでは高校1年から分かれる。つまり4年後には大学卒業後を念頭に置いた選択を迫られることになるのだ。決して10年後のことではない。中学進学の時点でもある程度、大学卒業後、どの道に子どもを進ませるか考えておく必要がある。

 まず気になるのは各大学の就職状況だろう。世の中はまさに不況の真っ最中。大学新卒者の就職は氷河期と言われるほど冷え込んでいる。10年後には景気が回復しているとの楽観的な見方もあれば、このまま不況が続くとの見方もあろう。

将来、医師を目指すなら
“同志”と共に頑張れる一貫校へ

 確かなことは医学部などを除いて有名大学に進学したから、将来は安泰と安易に考えないほうがいいことだ。

 将来の進路が比較的はっきりして、一貫校を選んでいるのが医師を目指すケースだ。募集の時に医学部コースを設けている一貫校もあるぐらいだ。子どもを医師にと考えるのなら、医学部医学科の合格者の多い学校を選びたい。それは教育力が高いからだけではない。周りに医学部を目指す同級生がたくさんいると、お互い刺激を受け、励ましあいながら医学部合格を目指して頑張れるのである。

 医学部に強い一貫校は西日本に多い。今年、国公立大の医学部にもっとも合格者が多かったのは愛知の東海で112人。次いで灘、ラ・サール、久留米大付設、青雲、西大和学園、東大寺学園と首都圏以外の一貫校が続く。ちなみに東海は公立校などを含めても、全国でもっとも医学部合格者の多い学校となった。

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安田賢治[大学通信常務取締役]

56年兵庫県生まれ 早稲田大学政治経済学部卒業後、大学通信入社現在に至る。著書に「中学受験のひみつ」(朝日出版)「笑うに笑えない大学の惨状」(祥伝社)「教育費破産」(祥伝社)がある。


中学版・受験の真相

2010年は26万人。全生徒数に占める割合は7.2%で、この比率は30年前の2.5倍。私立中学の在籍者数である。さらに驚くべき数字がある。東京都における私立中学校への在籍割合は26.2%、実に4人に1人が私立を選んでいるのだ。いまどきの中等教育に、お父さんの経験則はまったく通用しない。子どもの教育に父親として責任を果たす、そのためにはまず中等教育の現実を知る必要がある。大学入試の実績分析を通して中学校・高校を見続けて約30年、学校評価の第一人者が中学受験をズバリ解説します。

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