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元ヤクザの「お礼参り」も!モンスター患者と対峙した元刑事の述懐(下)

木原洋美 [医療ジャーナリスト]
2016年11月7日
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>>(上)より続く

 こうした横内氏の活動について、暴力被害を受けたことがある看護師は、次のように述べている。

 「看護師は、今までは患者のカラダとココロの状態に配慮し、どんな仕打ちを受けても我慢しなければならないと考えていました。でも、渉外室から度を過ぎた患者さんには勇気を持って毅然とした態度を取るべきと、背中を押され警察に届け出をしました。病院は、私たちを守ってくれているんだという気持ちになっております(看護経験15年以上)」

モンスター化させる一因は病院にも
重要なのはコミュニケーション

 横内氏は、慈恵医大に詰めるようになってからの1年間で、現場では対応できず、院内交番や総務課等に持ち込まれたクレーム304件の内容を調査した。

 結果、内容別で最も多かったのは、病院側の言葉が足りないケースなど、インフォームドコンセントに関係するもの。2番目は医療者の「態度・言葉」、3番目が「処置・手技」に関するものだった。

 「例えば、『待ち時間が長すぎる』、『医療費の計算ミスを指摘したのに、謝罪の言葉がなかった』、『先生の説明が、専門的過ぎて分からない』、『職員の態度が冷たい』とか。これらがクレームのもとになっており、患者さんをモンスター化させる一因は、病院側にもあると感じる場合が少なくありませんでした。やはり職員の皆さんも、患者さんへの対応をちゃんと考えるべきだと思います」

 病院は、慣れない人間にとっては難しい場所だ。どこで受付したらいいのかからして分かりにくい。「○○検査室で○○してから、○○科へ行ってください」と言われても院内の構造が複雑すぎて迷ってしまう。採血一つしてもらうのにも、ただ待っていれば順番が来るのではなく、その都度受付しないといけない。分からなくて手続きをしないでいると、いつまででも待たされる。看護師に尋ねようにも、「忙しいオーラ」全開で、取りつく島がない。

 加えて、高齢者の場合、複数の診療科にかかっていることが多いので、大変さは数倍にもなるだろう。

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木原洋美 [医療ジャーナリスト]

きはら・ひろみ/宮城県石巻市の漁村で生まれ、岩手県の山村で幼少期を過ごし、宮城県の穀倉地帯で少女時代を送る。明治学院大学在学中にコピーライターとして働き始め、20代後半で独立してフリーランスに。西武セゾングループ、松坂屋、東京電力、全労済、エーザイ等々、ファッション、流通、環境保全から医療まで、幅広い分野のPRに関わる。2000年以降は軸足を医療分野にシフト。「常に問題意識と当事者感覚を大切に取材し、よ~く咀嚼した自分の言葉で伝え、現場と患者の架け橋になる」をモットーに、「ドクターズガイド」(時事通信社)「週刊現代 日本が誇るトップドクターが明かす(シリーズ)」(講談社)「ダイヤモンドQ」(ダイヤモンド社)「JQR Medical」(インテグラル)等で、企画・取材・執筆を深く、楽しく手掛けてきた。2012年、あたらす株式会社設立(代表取締役)。2014年、一般社団法人 森のマルシェ設立(代表理事)。森のマルシェでは、「木を遣うことが森を守ります」の理念を掲げ、国産材の樽で仕込む日本ワインやバルサミコ酢の開発等、国産材の需要を開拓する事業に取り組んでいる。


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