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今週のキーワード 真壁昭夫

語学力や海外経験に乏しい若者はもう就職できない?
企業の“グローバル化”が日本の雇用にもたらす功罪

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第158回】 2011年1月11日
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 昨年、大学新卒者の就職内定率は約57.6%と、史上最低水準になった。その背景には、わが国経済が低迷していることに加えて、企業のグローバル化が進展していることがある。 

 人口減少・少子高齢化の加速という深刻な人口問題を抱えるわが国では、国内需要が大きく盛り上がることは期待しにくい。国内にいてはジリ貧状況に陥ることが避けられない多くの企業は、生き残りを賭けて海外に展開せざるを得ない。それが、今国内企業の中で起きている海外移転=“グローバル化”の実体だ。

 海外展開を目指す企業にとって、重要な経営資源は人材だ。それも海外、特にアジア諸国の言葉や文化がわかる、優秀な外国人従業員の確保が重要なポイントになる。

 そうした状況を反映して、日本人学生の内定率が低い一方、一部の海外留学生は引く手あまたの状態だという。また、大手企業の中には研修拠点を国内から海外に移転する動きなどが目立ち始めており、社内の公用語を英語にする企業もある。

 わが国を取り囲む経済情勢を見ると、そうした動向は一時的な現象ではないだろう。むしろ、わが国企業のグローバル化はさらに加速する可能性が高いと見た方がよさそうだ。そうなると、中長期的にはわが国の雇用が一段と厳しい状況になることが予想される。我々も、そろそろ覚悟を決める必要がありそうだ。

市場も人材も日本より海外へ!
わが国企業がグローバル化する必然

 わが国の経済構造を概括すると、構造的な人口問題を抱えていることに加えて、家計部門はこれまでの経済成長において、家電製品など主要な消費財の購入が終わっている。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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