17万部を突破したベストセラー『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』の著者であるデイブ・アスプリー氏が2016年10月、待望の来日を果たしました。本書は日本人の常識を大きく覆す「バターコーヒーでやせる」「ヨーグルトを朝に食べると太る」「味噌や醤油はなるべく摂取しない」といった食事法を提唱しており、大きな反響を呼んでいます。

 かつて著者のデイブ氏はIT起業家として大成功をおさめていたものの、太り過ぎて健康を損ない、さらには脳が正常に機能しなくなっていました。そこで自分の身体を「ハック(=数値化&分析)」し、どの食品を食べればやせるのか太るのか、脳のパフォーマンスを高めるのか台無しにするのかを徹底的に自己実験しました。

 さらに世界中から集めた医療分野の研究と統合し、それまでの常識を覆す「完全無欠ダイエット」を生み出したのです。本書は、デイブ氏が15年の歳月と30万ドルを注ぎ込んだ研究の集大成と言えます。

 今回、日本の読者から寄せられた質問を中心に「1日0.5キロやせ、IQが20ポイント上がる最強の食事」についてあらためて伺いました。

「果物とヨーグルト」は太る最悪の組み合わせ

「味噌」「醤油」を食べてはいけない!?

──『最強の食事』は17万部突破のベストセラーとなりました。ただ、その内容は日本の常識と違う食事法ばかりで驚いた読者も多いと思います。なかでも大豆由来の味噌や醤油を「食べないほうがいい」と書かれていたのはショッキングでしたが、あらためてその理由を教えていただけますか?

デイブ・アスプリー氏(以下、アスプリー) 日本のみなさんが驚かれたのはよくわかります。しかし私はじつに15年もの間、「シリコンバレー健康研究所」というアンチエイジングの研究をする施設を運営してきました。そこであらゆる研究を行い、世界中の研究者と会い、また多くの長寿を目指す人々と会うなかで、「常識」「正しい」と思われていた食べ方が必ずしも健康にいい影響を及ぼさない──むしろ、悪い影響を及ぼすことが明らかになったのです。

 実際、大豆に含まれる成分「ヒスタミン」はホルモンバランスを狂わせ、また人によっては頭痛を引き起こすことが明らかになっています。また、味噌汁などに含まれる「旨味成分(アミノ酸)」を摂取することで、より糖分が欲しくなる人もいる。さらに、味噌のような発酵食品は、ある人にとっては優良な食べ物である一方、ある人によっては疲労感や怒り、むくみを生じさせてしまう可能性もあります。ですから、その食べ物が自分に合うかどうか個人で判断する必要があるのです。

 また、納豆は基本的に身体にいい食べ物ですが、50年前といまでは栽培される大豆の質が違います。化学肥料や殺虫剤をまき散らした土壌で育ったり、遺伝子組み換え大豆を使ったり、添加物を含んだようなものは好ましくありません。自分の身体に合っていれば、「いい土壌」で育ったオーガニックな大豆できちんと発酵された納豆を摂取する分には問題ないでしょう。