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インテリア好きなら絶対に注目
皇居新宮殿も彩る山形緞通の魅力

Yamagata Dantsu

手織じゅうたんの製織作業は数人が完璧に同じペースで進めなくてはならない

 日本のモノ作りには世界に誇れるものがたくさんある。日々の生活に取り込むことで、いままでにない豊かさが手に入る。その代表的なもののひとつが職人芸が作り出した高品質のじゅうたん。なかでもオリエンタルカーペット株式会社の製品に注目だ。なにしろ1935(昭和10)年の創業いらい80年以上にわたり糸づくりから、染め、織り、仕上げそしてアフターケアまでを一貫して行っているのだ。

 高品質の日本伝統のじゅうたんというと鍋島の綿緞通が知られているが、羊毛を使った手織りじゅうたんを手がけるのは日本でわずか2社という。オリエンタルカーペットはそのうちの貴重な1社だ。ちなみに緞通とは手織りじゅうたんの最高峰を意味しているという。

ネオクラシックラインとよばれる「牡丹」(255×255センチで90万円+税)

 「足もとからのおもてなし」という製品コンセプトが、その魅力を端的に表現している。日本国内では皇居新宮殿にはじまり京都迎賓館、新歌舞伎座、羽田空港国際線ターミナル。国外ではバチカン宮殿やサウジアラビア王国などでもオリエンタルカーペットのプロダクトを見ることが出来るそうだ。

 「私たち山形緞通のデザインテーマは全て“自然を取り込む”です。自社染色ならではの色のグラデーションの出し方にも特徴があります。毛糸は断面がきれいに染まるように注意することでムラのない出来上がりになります」。オリエンタルカーペット株式会社の渡辺博明代表取締役社長はそう語る。さらりと言うが、じつはこの技術こそ他では真似できないものであるらしい。

電動ハサミで模様の輪郭を整えたりして立体的に見せる作業「浮き彫り」


 「同じ花の柄でも光が当たる部分とそうでない部分では色の見え方に違いがあり、さらに風合いや深みを表現するためには、少しずつ色調を変えた何十色もの染毛糸が必要になります」。同社のパンフレットにそう書かれているように、たとえば青色だけで表現されたような一見シンプルな緞通に使う色はなんと41色だそう。じっと見ていると最初は気づかなかった色が現れはじめ……とまるで自然の光景のようだ。

   一般住宅でも、もちろん、じゅうたんは美しく映える。調度品との調和がよいいっぽうで、じゅうたん自体の仕上がりのクオリティがみごとなので、まさに足もとに置く美術品といったおもむきだ(それに座ったり踏んでしまったりできるのもすごい)。ラインナップは大きくいうと四つ。頂点に立つのは、オリエンタルカーペットが長年守り続けて来た伝統的な緞通で「クラシックライン」と名づけられたシリーズだ。262センチ×262センチのサイズで570万円(+税)というものまである。

隈研吾氏デザインの「KOKE」(140×200センチで63万5000円+税)

ここでの注目は2006年にホームユースを意識してスタートさせた「デザイナーライン」である。ベースコンセプトは「かっこいい山形」(広報資料)。建築家の隈研吾氏やクルマや家具などのプロダクトデザイナーである奥山清行氏のコラボレーションとして製品化されている。パターンは自然がモチーフといってもより抽象性が強くインテリアを選ばない。2016年11月初旬に東京ビッグサイトで開催された「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング」展で展示された新作は「HAMON」と「TANADA」。ともに奥山氏が手がけたものだ。

奥山清行氏のデザインになる「HAMON」(200×200センチで40万円+税)

 「HAMON」と「TANADA」ともに大きな特徴は「単色でありながら糸の長短や織り方などでグラデーションを表現」(広報資料)しているところにある。平面的な写真ではわかりにくいけれど、床面に置いてみるとそこに別世界が出現するおもむきだ。日差しによって表情が刻々と変化するのも楽しみのひとつで、触感といい大胆な視覚的表現といい、オリエンタルカーペットが羊毛緞通で積みかさねてきた豊かな経験が活きているかんじだ。

奥山清行氏のデザインになる「HAMON」

 「スタイリングしやすいサイズはソファのあるリビング(ルーム)など現代の暮らしにフィット」するという同社の謳い文句には納得できる。ちなみに緞通は同じサイズでも価格がちがう。それは使う色数など作業工程の違いに由来しているとのこと。それを理解して使いわけていくのもまた楽しみになるだろう。

www.orientalcarpet-shop.jp/

 

 

 

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