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トランプ氏は過去4度も破産申請、経営手腕に問題はないか

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第454回】 2016年11月15日
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一般的には"不動産王トランプ"という印象が強いが、その経営手腕には疑問符がつく
photo:Abaca/Aflo

政治手腕が未知数な
トランプ氏が次期米大統領

 11月8日、米国の大統領選挙で大方の予想を覆して、ドナルド・トランプ氏が大統領に当選した。9日のアジア時間に開票が進む中、金融市場では先行きの不透明感を嫌って1000円以上も日経平均株価が下げ、101円前半までドル安・円高が進むなど、一時は急速にリスク回避が進んだ。

 ところが、時間の経過に伴って、インフラ投資などを重視するトランプ氏の経済政策に注目が移ると、一転して欧米の株式市場は上昇した。リスク資産の上昇に伴って、ドルも円やユーロに対して反発した。そうした金融市場の動向を見ても、米国民の賭け=トランプ大統領実現の波紋がいかに大きかったかがわかる。

 トランプ氏は次期米国大統領に決まったが、同氏の政治手腕は未知数だ。大統領選挙期間中は、ライバルであるクリントン氏の批判をしていればよかった。しかし、就任が決定した以上、彼がこれまでのような暴言を繰り返すことはできない。

 そもそも今回の大統領選挙は、史上まれに見る不人気候補の戦いだった。米国の有権者は、トランプ氏の手腕に期待したというよりも、不人気候補同士の誹謗中傷合戦にうんざりしていたはずだ。

 見方を変えれば、米国の有権者は既存のエリート層との決別を強調し、国民の不満をうまく集めたトランプ氏を大統領に選ぶことで大きな賭けに出たといえる。トランプ氏が大統領に選ばれたからといって、同氏の不人気は短期間で大きく変化することはないだろう。

 同氏が実現可能な政策を示して世論の不満を解消し、先行きへの期待を高めることができなければ、政権運営は難しくなるだろう。今後、最も重要な要素は、同氏の政治家としての調整能力だ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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