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China Report 中国は今

中国がトランプ当選で自国の政治に自信を深める根拠

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第221回】 2016年11月18日
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今回の米大統領選の過程と結果に、中国の国民は「アメリカ民主政治への失望」を見たといえる

 2016年のアメリカ大統領選は、アメリカの民主政治の在り方に波紋を広げた。選挙演説では聴衆の度肝を抜くような過激発言のみならず、ポピュリズムや反グローバル主義への傾斜が色濃く表れた。また、候補者二人が互いにスキャンダルを暴きあう醜い場面も少なくなかった。

 今回の大統領選の過程と結果に、中国の国民は「アメリカ民主政治への失望」を見たともいえる。案の定、中国のインターネットではすでに一部の中国国民が疑問を呈していた。

 「この結果は、アメリカの民主政治に何らかの欠陥があることを露呈したのではないだろうか」——

 中国国民は、中国の政治が少数のエリートたちが牛耳る専制国家であることを知っている。それが自由選挙による議会制度を持つアメリカなどの西側先進国とは大きく異なることも知っている。しかし、昨今では、民衆の声が届かない中国政治に大きな反発を見せるようになっていた。

 中国国民の「民主国家アメリカ」への憧れは強い。アメリカへの移民が多いのもそのためだが、それだけに今回の大統領選と当選結果は「アメリカへの期待」を大きく揺るがせる結果にもなった。

 「アメリカ民主政治の欠陥」を問う“スレ主”に対し、内外の“アメリカ通”の中国人たちが反応する。

 「アメリカにはもともと民主制度なんか存在しない。あるのは金権政治、世襲政治だ」

 批判的な声は、恐らく中国国内から発せられた声だろう。中国の主要メディアはことあるごとに西側先進国の民主政治を批判しているため、国民もそれに大きく影響されているのだ。実際、中国国内の大学で政治学を学ぶ学生は「民主政治は到達すべき目標ではない」ことを教えられ、一般大衆に至っては「多党制の民主政治は却って混乱を招くばかり」といった認識が強い。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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