活動の社会的意義を
しっかり理解しているか? 

仕事に不満を持つ人は仕事の社会的意義を意識していない仕事の社会的意義を自覚しないまま仕事をしていませんか?

第40回席亭をしている友人の話をしました。落語などの演芸の席亭をしていると言いましたが、プロの席亭というわけではありません。本業の合間に席亭をしています。

 席亭というのは、興行主です。落語会などを主催する人を指します。今は、小さな規模の席亭が、本当にたくさん生まれています。

 私は、そうした席亭も立派な社会人材だと思います。なぜならば、舞台や高座に上がる芸人さんにも「よくぞ、場を作ってくれた」と感謝されるでしょうし、その出し物が良ければ、お金を払って鑑賞してくれたお客さんからも感謝される、社会に価値を提供できる存在であるからです。日本の伝統芸能の火を絶やさないためにも、とても大切な社会的な役割を担っています。

 そう考えてみると、自分たちのやっていることの社会的意義をあまり自覚しないまま活動をしている人も多いと思います。「好きだからやっている」「一部の人の楽しみや利益のためにやっている」「仕事だからやっている」――そう思っていても、少し見方を変えると、社会のためになっている仕事というのは意外と数多いものです。

 そこで一度、自分、あるいは自分たちのやっていることの社会的意義について考えてみてほしいのです。自分たちの行っていることの社会的意義をしっかり認知すると、目下の活動に対するやる気も増しますし、仕事の質も上がり、自分たちの成長スピードも上がるはずです。

 さらに、社会的な意義を意識することで活動そのものの質が変わるかもしれません。

 席亭の場合で言えば、ただ漫然と「ウケる」か「ウケない」かだけで出演者を決めるのではなく、たとえば古典芸能として芸の伝承に寄与するような地味ではあるが、しっかりした芸を持つ出演者を選んだり、これから有望な若手を育成目的で抜擢したりする方向に変わるでしょう。