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社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた【実践編】
【第2回】 2012年10月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
小暮真久 [TABLE FOR TWO International 代表理事]

「何のために働くのか」を見つめ直すために
――リッツ・カールトンが教えてくれる
やりがいを持って仕事をするための3つの条件
Winの累乗をつくる5つのC(1)Company

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社会貢献とビジネスを両立させるしくみ、「Winの累乗」。前回、この新しいビジネスモデルのあり方を提唱したのが、たった「20円」で全世界20億人にリーチする活動を展開しているNPO、テーブル・フォー・ツー・インターナショナル(TFT)代表の小暮真久氏。
<自社を取り巻くすべてにおいて『Win』を作り、それをどんどん増やすことが、グローバルにビジネスを成功させることにつながる>という「Winの累乗」について、小暮氏が「本業を通して社会にいいことを成し遂げる」ための実践例を紹介します。
第2回となる今回は、取り巻くすべてにWinを作る旅の出発点として、まずは働く自分、そして一緒に働く仲間にWinを作る方法を、リッツ・カールトンの「クレド」を通して考えます。

仕事でのやりがいは、どこから得られるのか?

 毎朝、仕事に向かうとき、ワクワクした気持ちになっていますか?

 そんな急に質問されても、と戸惑ってしまったかもしれませんが、この質問に胸を張ってイエス、と言える人ばかりではないのも、現実ではないでしょうか。

 それでは、どんな要素が満たされていれば仕事は楽しく、やりがいを感じられるようなものになるのでしょうか?

 もちろんこれは人によって違いがあると思います。でも僕の考えを先に言ってしまうと、シンプルかもしれませんが自分の仕事を通じて人(お客様)を幸せにする、楽しませる、役に立つという実感や充実感が得られることが、働く人のやりがいや幸せに直結してくるんじゃないかと思っています。

 たとえば、自分が製造に関わった商品を感謝して使ってくれる人がいる、接客したお客さんが笑顔になる、提供したサービスをユーザーが楽しんで受け入れてくれる……。こうした経験をすると、「この仕事をやっていてよかったな」とやりがいを感じ、嬉しくなりますよね。もちろん、自分の仕事が収益に貢献している、というのもやりがいにつながることではありますが、「仕事の喜びとは何か?」を突き詰めて考えると、やっぱり「人の役に立っているという実感」が根っこにはあるんじゃないでしょうか。

 ところがある世論調査では、まったく逆の結果が出ています。「日頃、社会の一員として、何か社会のために役に立ちたいと思っていますか?」という社会貢献意識を聞いたものがあります(注)。結果、「役に立ちたい」と答えた人の割合は、20代、30代でそれぞれ70%近い数字に。しかし残念なことに、そのうち「自分の職業を通じて」と答えた人の割合は、25%に過ぎませんでした。

 自分の仕事を通じて人の役に立っている、という実感をもう一度取り戻すということ。それが、この回でお話しするCompany――「自社」にWinを作る、もっと具体的に言うと、自分自身や一緒に働く仲間がやりがいを感じ、ハッピーに仕事をするということです。

 それでは、実際にはどうすれば実現できるのでしょう?

(注)内閣府 平成24年「社会意識に関する世論調査」より

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小暮真久 [TABLE FOR TWO International 代表理事]

1972年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、オーストラリアのスインバン工科大で人工心臓の研究を行なう。1999年、同大学修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社入社。(ヘルスケア、メディア、小売流通、製造業など幅広い業界の組織改革・オペレーション改善・営業戦略などのプロジェクトに従事)。同社米国ニュージャージー支社勤務を経て、2005年、松竹株式会社入社、(事業開発を担当)。
経済学者ジェフリー・サックスとの出会いに強い感銘を受け、その後、先進国の肥満と開発途上国の飢餓という2つの問題の同時解決を目指す日本発の社会貢献事業「TABLE FOR TWO」プロジェクトに参画。2007年NPO法人「TABLE FOR TWO International」を創設し、代表理事に就任。社会起業家として日本、アフリカ、米国を拠点に活動中。
2011年、シュワブ財団・世界経済フォーラム 「アジアを代表する社会起業家」(アジアで5人)に選出。同年、日経イノベーター大賞優秀賞を受賞。2012年、世界有数の経済誌Forbesが選ぶ「アジアを代表する慈善活動家ヒーロー48人」(48 Heroes Of Philanthropy)に選出。
著書に、『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』(ダイヤモンド社)、『「20円」で世界をつなぐ仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『20代からはじめる社会貢献』(PHP新書)がある。『「20円」で世界をつなぐ仕事』は、ビジネス書大賞 新人賞を獲得。


社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた【実践編】

たった「20円」で、先進国の肥満と、開発途上国の飢餓・栄養不足を同時に解決するビジネスモデルを打ち立て、全世界20億人にリーチする活動を展開しているNPO、テーブル・フォー・ツー・インターナショナル(TFT)。このTFTを率いるのが、元マッキンゼーのコンサルタントで、いまや全世界が注目する社会起業家である小暮真久氏です。
この度『社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた』で成功しているNPOと企業の共通点を描き出した小暮氏が、「本業を通して社会にいいことを成し遂げる」ための実践例を紹介する連載(全6回予定)。
大塚製薬「ポカリスエット」、リッツカールトン、ユニクロ、味の素など、事例も満載。

「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた【実践編】」

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