12月15日、山口県長門市で日露首脳が開催されます。プーチン大統領の「引き分け発言」以降、領土等分案や2.5島返還論などが様々に取り沙汰され、莫大な経済援助と引き換えに「最低でも2島は返還される」気配がありましたが、米国次期大統領にトランプが当選したことで事態は一変、「領土はひとかけらも返還されず経済支援だけタダ盗りされそう」な状況であると、刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が報じています。
ウリュカエフ経済発展相逮捕は
軍部からの無視できない圧力
臨時国会が12月14日まで延長され、「TPP承認・関連法案」(参議院で審議しなくても12月9日に自然成立となりますが、何をいまさら?といったところです)、「年金改正法案」、「カジノ法案」などが大急ぎで成立されています。
そうして12月15日の(あるいは16日も)日露首脳会談に臨むわけですが、北方領土交渉を巡る環境が、この1カ月で激変してしまいました。結論から言えば4島はおろか2島すら返還されません。
11月15日には、日露経済協力のキーパーソンだったウリュカエフ経済発展相が収賄容疑で訴追されました。ウリュカエフ経済発展相は大統領訪日時に調印されようとしている日露協力案件の責任者でした。
これは軍部など保守勢力によるプーチンへの圧力です。もともと軍部と保守勢力は強力な支持基盤であるため、さすがのプーチンも無視できません。
安倍トランプ会談がもたらした苦境
外務省の「確信犯」だった可能性も
それに先立つ11月7日に安倍首相はトランプ次期大統領と、異例の就任前首脳会談を行いました。安倍首相は大統領選前の9月12日に訪米し、ヒラリーとだけ会談をしていました。それがまさかのトランプ当選となったので、慌てて会談を持って「挽回」したつもりでいたのかもしれません。
しかし、これはリスクしかない愚行だったと強く感じます。来年1月20日の就任式までの米国最高責任者は(レームダックしているとは言え)オバマであり、それを完全に「ないがしろ」にしたことになるからです。性格からしてオバマの仕返しは陰湿でしょう。日露首脳会談に何らかの嫌がらせが入る可能性は十分にあります。
こうした外交上の非常識を止めなかった外務省の失態は犯罪的ですが、この件に関しては「確信犯」だったかもしれません。世界にモメ事のタネを残しておくほうが外務省の活動場所を確保しておく「省益」に適うからです。
次期米大統領がヒラリーになっていれば、米中接近を警戒したロシアが日本側に歩み寄ってくる可能性もありましたが、トランプになって米中は対立する構図になりつつあります。ロシアに領土問題で日本に譲歩する理由は、完全になくなってしまいました。
北方領土を諦めるのはまだ早い
トランプ効果から目を離すな!
それでも官邸と外務省は、すっかり意味のなくなった経済協力だけを進めるつもりのようで、昨年末の慰安婦問題日韓合意のように「タダ取り」されて終わりとなりそうです。安倍首相もいつまでも外務省の口車に乗せられず、少しくらいは学習効果を発揮してもらいたいものです。
ただ、12月15日の日ロ首脳会談で北方領土が「ひとかけら」も返ってこないことは明白であるものの、これを以って北方領土は諦めよというのではありません。トランプ新政権で米中間の緊張は間違いなく増大するため、中露関係や米露関係次第で対応策が見えてくるかもしれません。
そして、日本の政局は「トランプ神風効果」による奇跡的な円安・株高を受けて、来年早々の解散・総選挙の下準備に入っているようです。本来はそれに(少なくとも)2島返還の方向が見えるところまで期待していたはずですが、それがなくとも強行すると考えます。
トランプ新大統領就任で、どこにどんな効果(あるいは余波)が出てくるのか考えを巡らせ、見極める必要があります。この続きは金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』で議論していく予定です。
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