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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

世界人口は減少へ!「一生現役」の時代が到来!
モスクワに集結した世界のエリートたちの心構え

田村耕太郎
【第6回】 2011年2月11日
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引退は夢のまた夢

 「これからは一生現役の時代が来る。ライフスタイルが大きく変化する。国家財政上も人口動態面からも、われわれの優雅な引退を次世代が支えてくれることはない。引退したら自分を養えなくなる」。ジャンクボンドの帝王と呼ばれた、マイケル・ミルケン氏が私の目の前で言い切った。がんとインサイダー取引による服役、この二つの困難を克服して、さらに自信を増したミルケン氏の発言に会場は引き込まれた。

 場所はモスクワ。ロシア政財界のトップが集結し、経済金融問題を中心に議論するロシア・フォーラムでの一幕だ。

 私もパネリストとして招待されたが、とにかく豪華メンバーだった。ダボス会議の金融経済周りの人材が大挙モスクワに移ってきた感じだ。ミルケン氏の他にもローレンス・サマーズ元米国財務長官、ノーベル賞経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授、金融危機を予測したヌリエル・ルービニ教授ら。ロシアからはアレクセイ・クドリン副首相兼蔵相、同国最大手銀行ズベルバンクのヘルマン・グレフ総裁、当フォーラムの主催者は、ダボスの大口のスポンサーでもある、ロシア最大の投資銀行トロイカ・ダイアローグのルービン・ヴァーダニアン社長なのだ。

 日本もロシアも人口減少国。その間に位置する経済が好調の中国も韓国も日本より少子高齢化が進む。アメリカだけが人口増加だが、やがてこの国も人口減少に陥るとミルケン氏は予測する。

 経済・金融・政治の叡智が集まって、今後の世界経済を予測するために議論。そのテーマの一つが人口動態だった。ミルケン氏は「20年前に比べて、今の時代、年齢は20歳は引いて考えなければならない。60歳なら40歳だと自覚すべきだ」と断言。

・“年だから”なんて自分に限界を設定するような考えが最も危険、
・一生通じて、新しいことを学び、常にイノベーションを起こせる人的資本であり続けねばならない、
・金融商品よりも、健康や新しい知識にこそ投資をすべき、
と強調した。

知識集約型経済への移行が
人口急増に歯止めをかける

 私も同感だ。東アジアや北欧で急速に進む少子高齢化は、やがて世界中に広がる。今世紀の最大のテーマは世界人口の縮小だ。少し前までは途上国中心の「人口爆発」が懸念されていた。それらが食糧やエネルギー資源の持続可能性の脅威だと考えられていた。しかし今や世界は「人口破綻」をテーマに議論を始めている。

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

「田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」」

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