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老後のお金クライシス! 深田晶恵

新配偶者控除「150万円の壁」で世帯の手取り収入はこう変化する!

深田晶恵
【第52回】 2016年12月14日
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「新配偶者控除」は再来年からの実施!
知っておきたい3つのポイント

 先週、12月8日に来年度の税制改正大綱が発表になった。今回の目玉は「配偶者控除」。当初は「多様な働き方に『中立的な仕組み』を作る必要がある」として、財務省と自民党税制調査会から「配偶者控除の廃止、夫婦控除の創設」の案が出ていた。

 ところが、9月中旬頃に与党から「選挙への影響を考えないといけない」という慎重論が急浮上し、結局当初案は消えてなくなり、「配偶者控除の拡大」と「高所得者の増税」となった。目指していた『中立的な仕組み作り』からずいぶん後退した感が否めないが、決まってしまったことなので、気を取り直してみなさんにとっての具体的な影響をお伝えすることにする。

 改正で知っておきたいポイントは、大きく3つ。1つめは、新しい配偶者控除が適用されるのは「2018年1月から」であること。2017年の税制改正であるが、実施は翌年なのである。2017年1月(来月!)から実施となると、給与や年金からの源泉徴収の作業に混乱が起こる可能性が大きいので、システム変更などに猶予期間を設けることにしたのだろう。

 2つめは、2017年1月から夫が受ける「配偶者控除(厳密には配偶者特別控除)」が、大きく拡大したこと(高所得者は縮小)。配偶者控除や配偶者特別控除は、妻の収入によって控除が変わるが、今回の改正で「103万円の壁」はなくなり、代わりに「150万円の壁」ができた。ただし、妻の年収が150万円を超えたとしても、年収201万円まで段階的に配偶者特別控除が受けられるので、壁を超えたとたんに世帯収入が激減するわけでない。のちほど、グラフで見てみよう。

 3つめは、夫は自分の年収によって、受けられる配偶者控除(と配偶者特別控除)の額が変わるようになったこと。これは、減税になる世帯の財源捻出のため導入された新たな仕組みである。

 夫の年収は4段階に区分され、影響は次の通り(パート主婦は年収103万~201万円)。

・1120万円以下…パート主婦家庭は減税、専業主婦世帯は変化なし
・1120万円超~1170万円以下…パート主婦家庭は減税が多いが一部増税、専業主婦世帯は増税
・1170万円超~1220万円以下…パート主婦家庭は減税が多いが一部増税、専業主婦世帯は増税
・1220万円超…パート主婦家庭は変化なし、専業主婦世帯は増税

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深田晶恵 

ファイナンシャルプランナー(CFP)、(株)生活設計塾クルー取締役。

1967年北海道生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である「生活設計塾クルー」のメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。20年間で受けた相談は4000件以上。日本経済新聞、日経WOMAN、レタスクラブ等でマネーコラムを連載、ほかにダイヤモンド・オンラインでの『40代から備えたい 老後のお金クライシス!』のネット連載も 好評。

主な著書に『30代で知っておきたいお金の習慣』、『投資で失敗したくないと思ったら、まず読む本』『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂5版』(共にダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」』、『図解 老後のお金安心読本』(共に講談社)他多数。
1967年北海道生まれ。外資系電器メーカー勤務を経て96年にFPに転身。現在は、特定の金融機関に属さない独立系FP会社である「生活設計塾クルー」のメンバーとして、個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演活動を通じて「買い手寄り」のマネー情報を発信している。18年間で受けた相談は3500件以上。日本経済新聞、日経WOMAN、ダイヤモンド・オンライン等でマネーコラムを連載中。
主な著書に『30代で知っておきたいお金の習慣』『投資で失敗したくないと思ったらまず、読む本』、『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂5版』(共にダイヤモンド社)(共にダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」』『図解 老後のお金安心読本』(共に講談社)他多数。


老後のお金クライシス! 深田晶恵

「年金崩壊」「定年後破産」などの恐ろしい言葉が飛び交う少子高齢化の現代ニッポン。老後の生活を支えるお金について熟知しておくことは、もはや誰にとっても待ったなしだ。30代でも早すぎない、40代なら今まさに備えを始めたい、老後資金のあれこれを人気FPがわかりやすく指南する。

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