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ワタミ、大丸松坂屋、ユニリーバ、住友林業・・・
異業種企業が模索!プロモーションツールとしての
ゲームコンテンツの本当の可能性

石島照代 [ジャーナリスト]
【第12回】 2011年2月19日
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 ゲームを使った宣伝手法というと、家庭用ゲームソフトの画像に商品画像を取り入れる「ゲーム内広告」と呼ばれる手法が知られている。たとえば、ワタミフードサービスが、セガのプレイステーション3用ゲーム「龍が如くOF THE END」(3月17日発売予定)とタイアップし、ゲーム内で炭火焼ダイニング「わたみん家」のプロモーションを展開するやり方がそうだ。

「龍が如くOF THE END」の1シーン。左が澤村執行役員。(C)SEGA

 今回はタイアップ商品「俺の煮込み丼」だけでなく、ワタミフードサービス執行役員で、「わたみん家」カンパニー代表取締役社長の澤村誠氏もサブストーリーに登場するという、業界的にも画期的なものとなっている(右の写真)。

 澤村氏は今回の施策について「サブストーリーは居酒屋から街が元気になるという居酒屋の使命に根ざした物になっていて、私個人はもちろん、会社もいいという評価をしてくれています」と満足しているようだ。

 その一方、家庭用ゲーム機外でゲームコンテンツをプロモーションやブランディングなどに用いるケースが続出している。そこで今回は、大手ソーシャルネットワーク(SNS) 「ミクシィ」でプロモーションを展開している大丸とユニリーバ、自社サイト内で展開中の住友林業の例から、ゲームコンテンツの可能性について探ってみたい。

ユーザーの絞り込みができるSNSの特性を生かして、
販促効果を狙った大丸松坂屋の「デパつく!by 大丸東京店」

SNS「ミクシィ」向けモバイルアプリ「デパつく!by 大丸東京店」

 大丸松坂屋は昨年秋から、大丸東京店の新店オープン3周年を記念した、SNS「ミクシィ」向けモバイルアプリ「デパつく!by 大丸東京店」(左の写真)を展開している。

 「デパつく!」とは「マイミク」と呼ばれるミクシィ内の友人と協力、競争しながらデパートを経営していくソーシャルゲーム。プレイヤーは大丸東京店のフロアマスターとなって、商品を販売しながらフロアを発展させていく。取り扱った商品数に応じて称号がプレイヤーに与えられ、最高称号 (現時点ではマスター)を獲得すると、特別指定期間に店舗で使えるお得なクーポン券がプレゼントされるという。

 大丸東京店営業推進部の安達克也マネジャーは、「デパつく!」実施の目的について、「バーチャルの世界から大丸を知ってもらい、リアル店舗へ来店してもらうためのプロモーション」と語る。

 「ゲーム内のバーチャルな世界で百貨店、つまり大丸に親しみをもってもらうことで、東京近郊の人はもちろん、地方の人も東京駅を利用する際に大丸東京店に立ち寄ってほしい、という思いで『デパつく!』をスタートしました。新規入会、継続ユーザーを維持していくためには、ユーザーの意見を聞きながら、多々改良していかなければなりませんが、ゲームのプロモーションツールとしての可能性はヒシヒシと感じています」。

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石島照代 [ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

 


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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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