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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

この円安はドル独歩高の裏返し、日本経済の行方は米政策次第だ

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第15回】 2016年12月22日
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 アメリカ大統領選の結果判明後、円安が進んだ。株価も上昇した。

 2013~14年頃の円安と違い、今回は、ドル高の側面が強い。そのため、アメリカの政策によって大きく影響される。将来どう推移するかには、大きな不確実がある。

大統領選直後の金利上昇と
ドル高の進行

 大統領選の結果判明後、アメリカの金利が急上昇した。この連載ですでに示したように、10年国債の利回りで見ると、1.8%程度から2.3%程度へという大きな変化だ(第11回「トランプの経済政策で懸念される円安と金利上昇」2016年11月24日)。

 これまで、政策金利の引き上げにもかかわらず、長期金利は低下を続けていたので、かなり大きな変化である。

 これは、トランプ政権のマクロ政策(減税とインフラ投資増)の結果、長期資金市場がタイトになり、金利が上昇するとの見通しによる。

 これとほぼ歩調を合わせて、図表1に示すように、ドルの実効レートが急上昇した。11月1日の123.482から11月15日の126.5164まで、2.46%も上昇した。

 つまり、ドルは円だけでなく、他の通貨に対しても増価したのである。その意味で、これは、円安というより、ドル高である。

◆図表1:ドルの名目実効レート(短期)

 なお、図表2に示すように、円の実効レートも下落している。11月1日の91.8から11月15日の90.29まで1.64%下落した。

 そのかなりの部分は、ドル高によって引き起こされたものだ。ただし、それ以外の要因もある。実際、円はユーロに対しても減価した。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

 日本が直面している課題は、実体経済をいかにして改善するかである。それは金融政策によって実現できるものではない。
 金融緩和に依存して長期的に衰退の道を辿っているヨーロッパ大陸諸国と日本。それに対して、新しい情報技術をつぎつぎに開発し、高度なサービス産業に特化して成長しつつあるアメリカとイギリス。両者の差は、イギリスのEU離脱によって、具体的な 形を取りつつある。
 日本はいま、基本的な成長のパタンを大きく変更しなければならない。これは、純粋な研究開発だけの問題ではない。企業の仕組みや社会全体の構造が重要な役割を果たす。

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