「働き方改革実現会議」で、「同一労働同一賃金の実現に向けた検討」が進んでいる。しかし、その検討内容は、私の目からみれば過去の失敗の二の舞を演じるように思えてならない。忘れ去られている重要な論点があるのだ。(リブ・コンサルティング人事部長兼組織開発コンサルティング事業部長 山口 博)

細部の議論に終始している
「働き方改革実現会議」

 内閣総理大臣が議長を務め、働き方改革担当大臣と厚生労働大臣が副議長を務める「働き方改革実現会議」が開催されている。12月までに既に5回の会議が開催され、12月20日の会議では、「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」中間報告の内容が検討され、「同一労働同一賃金ガイドライン案」が示された。

同一労働同一賃金の議論に足りない「労働結果の評価法」の視点同一労働同一賃金は、ぜひ実現したい公平な考え方だ。しかし、現状なされている議論には、肝心な視点が抜けている(写真はイメージです)

 以下の表は、無期雇用フルタイム労働者とパートタイム労働者との間で、同一賃金でない場合で、問題となるケースと、問題にならないケースについて、ガイドラインに記載されている内容を、私の理解に基づきまとめたものだ。

 これでも、できるだけわかりやすくまとめたつもりだが、読者のみなさんは、どのように感じるだろうか。

同一労働同一賃金の議論に足りない「労働結果の評価法」の視点