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クルマの未来が変わる!米新鋭企業たちの「スゴイ技術」

長野美穂
2017年1月4日
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昨年11月下旬にロサンゼルス(LA)で開催された自動車ショー(2016ロサンゼルスオートショー)。その会場で注目を浴びたのが米スタートアップ企業が手掛けた最新技術だ。究極のクルマ社会でアントレプレナー(起業家)たちが発案した未来型のクルマとサービスは?現地で彼らの本音と最新のイノベーションに迫った。(取材・文・撮影/ジャーナリスト 長野美穂)

LAの自動車ショーで見た
業界の未来を背負う起業家の胎動

業界の風雲児でローカルモータースのCEO、ジェイ・ロジャース

 「米国はアントレプレナーたちにとって天国のような国だ。でも、この国で唯一、アントレプレナーたちを毛嫌いしている産業がある。それが自動車業界だ」

 LA自動車ショーの基調講演で、GMやフォードの幹部らを前に、1人の男性がこう言い放った。ジーンズに蝶ネクタイ姿で壇上に現れた男の名はジェイ・ロジャース。ローカルモータースという企業のCEO(最高経営責任者)だ。

 彼は「Olli」(オリー)という箱型のミニバスに乗って会場に登場した。オリーは自動運転で走る、ハンドルがついていない電気自動車(EV)だ。滑るようにスルスルと走るそのボックス型の車体に、参加者たちの目が釘付けになった。

 GMやフォードなどの大手メーカーが社運を賭けて自動運転車開発に血道をあげる中、アリゾナ州を拠点とし、社員90名の小さな企業であるローカルモータースが、3D印刷技術とIBMワトソンを合体し、100%自動運転のEV(電気)バスを作り上げることに成功したのだ。

(上)ローカルモータースが開発した自動運転EVミニバス「Olli」、(下)無人でロサンゼルスの道路を自動運転中の「Olli」

 「これまで大手自動車メーカーは、アントレプレナーたちにこう言ってきた。『君たちはソフトウェアだけつくってくれればいいんだ。自動車の生産は大量生産技術を持つわが社に任せなさい』と。だが、時代は変わった。配車サービスのウーバーが車の利用法を劇的に変えたように、うちのような小さな企業がマイクロファクトリーで自動運転車を生産する時代が来たんだ」とロジャース氏。

 巨大な工場で製品を大量生産し、自社の技術は特許でガッチリ守り、外に流出させないという自動車業界のビジネスモデルに真っ向から対抗するのが、ロジャース氏だ。

 「特許を取って囲い込むより、技術や情報を広くシェアしてみんなで共有しようと考えるのがミレニアルズ世代(2000年以降に成人になったアメリカの若者)だ。たとえ技術やデザインをシェアしても、金儲けは十分できると私たちが証明して見せる」と自信に満ち溢れた顔で言った。

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長野美穂(ながの・みほ)/東京の出版社で雑誌編集記者として働いた後、渡米。ミシガン州の地元米新聞社でインターン記者として働き、中絶問題の記事でミシガン・プレス・アソシエーションのフィーチャー記事賞を受賞した。その後独立し、ネイティブ・アメリカンの取材などに没頭。ボストン大学大学院を経て、イリノイ州のノースウェスタン大大学院でジャーナリズムを専攻。カリフォルニア州ロサンゼルスの米新聞社での記者を務め、フリーランスジャーナリストとして活動している


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