SFに学ぶAI「シンギュラリティ」の超え方(上)

AIがヒトを超越するシンギュラリティ。まずはアルファ碁から

 最近、ビジネス界をもっとも賑わせているのはAI(人工知能)の活用でしょう。新聞を開いても毎日必ず、そういう見出しが目に入ります。2016年12月24日前後だけでも、

・ザッカーバーグ(Facebook創業者)が家庭用AIを完成
・デンソーとNECが提携し自動運転技術にAI活用
・富士通がAI・IoTの支援組織に3000人投入
・「AIによる大規模失業に対策を」オバマ政権が報告書

 と盛り沢山。AIが家庭に入るぞ、自動車も運転するぞ、なんにでも入れるぞ、そうするとヒトのやることがなくなるぞ、といった具合です。

2016年はAIの年でした。

 5月には、Googleが生んだアルファ碁が人類最高のプロ囲碁棋士 李世ドル(イ・セドル、ドルは石かんむりに「乙」)九段を4対1で破り、世界を驚かせました。

 李世ドルが唯一勝利した第4局は、彼が「神の一手」と称される強手(白78手目)によってアルファ碁を「生きるか死ぬかの局面に誘導」し、優劣が判断しがたい「難解な碁」としたことで、生まれました。