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China Report 中国は今

飛び火した「茉莉花革命」も立ち消えの予感、左傾化懸念も――共産党幹部にすら見通せない中国の“行く先”

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第69回】 2011年2月25日
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中国の茉莉花革命は
ネットユーザーの“おふざけ”!?

 チュニジアのジャスミン革命を受けて、20日、中国でも民主化運動の呼びかけがあり、北京や上海など中国の13都市で集会が持たれた。

 世界の目が中国版のジャスミン革命に向けられたが、北米発信の中国語サイト「多維新聞」は2月21日、「中国版茉莉花革命的真相(中国版ジャスミン革命の真相)」と題し「これはおふざけだった」という内容の記事を発表した。

 同サイトによれば、デモを行った者は「網民」(ネットユーザー)であり、政治組織に属していたわけでも、政治的スローガンを掲げたわけでも、現政府を打倒しようとしたものでもなかった。集合先として指定された場所もまた普段から人通りの多い地点だった、としている。

 他方、「発起人を名乗る人物が22日、一党独裁廃止を求める集会を呼びかけた」(日本経済新聞2月23日朝刊)とのニュースもあり、いずれも、真偽については依然不透明感が残る。

「今の上海市民に、民主化運動に
関わるだけの勇気はない」

 一方、「国民は政治体制には絶望しているが、経済環境については完全に絶望を抱いているわけではない」(月刊誌「炎黄春秋」の主筆を務める章立凡氏)とのコメントが示すように、中国での民主革命には火がつかないという見方が強い。「今の中国はエジプトと異なる」と受け止める大陸の中国人は少なくないからだ。

 確かに世界第2位の経済大国となり、これだけ経済発展の伸びがあるならば、中東各国のような、長期独裁政権に対する政変や急進的な政治改革などはあり得ないだろう。中国の清華大学のK教授も「『以前に比べて暮らしが良くなった』と実感する国民が大多数を占める限り、革命行為などに出ることはない」と語る。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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