ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
田中秀征 政権ウォッチ

なぜ明確な政策なくして政権政党になれたのか
菅政権迷走の影にある民主党の“受け皿”体質

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第73回】 2011年3月3日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 菅直人政権の迷走が著しいのは民主党の本質的な体質に由来するのではないか。

 結党以来、民主党は“受け皿政党”であったと言ってよい。その体質を最も強く持っているのが菅直人首相個人であろう。

民主党は“有権者の受け皿”
それゆえに明確な政策や姿勢がない

 民主党は、「3党嫌いの人、この指止まれ」という姿勢で伸長してきた。

 すなわち、自民党嫌い、共産党嫌い、公明党嫌いの有権者の受け皿となって伸びてきたのである。

 自、公、共の3党は、強固な支持基盤を持ち、良くも悪くも政策路線が明瞭だ。それだけにアクの強さを感じる人もいる。固定票が多いだけに、浮動票や無党派層は疎外感を持ちやすい。

 特に、自民党嫌いが急増するにつれて、民主党の受け皿は山盛りになって、ついに一昨年、民主党政権が出現した。

 受け皿政党は、明確な政策や姿勢を打ち出せば、3党嫌いの人の多くを受け入れることができないというジレンマがある。

 だから「クリーンでオープンな政治」、「二大政党制」、「政権交代」程度のスローガンで済ませておかねばならない。

 民主党が受け皿政党であることを示す象徴的な一面は、言うまでもなく「綱領を持たない政党」であることだ。

 私は、かつて綱領を持たない政党が他に存在したかどうか知らない。それほど異常、異例なことである。

 だから、有権者が民主党を受け皿として活用するのはともかく、民主党から立候補する人は、どう思ってきたのか不思議である。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


田中秀征 政権ウォッチ

かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

「田中秀征 政権ウォッチ」

⇒バックナンバー一覧