ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

日本最大のチャリティマラソンが誕生!
東京マラソンの成功に見る
「行政が寄付を集める」可能性

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第39回】 2011年3月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 今年はやはりチャリティ元年なのか? 昨年末から今年初頭にかけて話題になった「タイガーマスク現象」に続き、社会セクターで大きな話題になったのが「東京マラソン」である。

初回ながらも大成功。
集まった寄付は7000万円超!

 この連載の読者ならご存じかと思うが、今年の東京マラソンでは史上初めて「チャリティーランナー枠」が設けられた。これは、「東京マラソン2011」で実施されたチャリティ活動に、10万円以上寄付した個人を対象として、希望者(先着1000名)がチャリティランナーとして走ることができるというもの(フルマラソンのみ)。

 東京マラソンは大人気で、ランナーとして参加するためには高い倍率の抽選に勝ち抜かなくてはならい。毎年応募して、毎年落選している人も多いようだ。しかし、チャリティランナーであれば先着順ではあるが、10万円以上を寄付すれば確実に走ることができる。というわけで、このチャリティランナー枠、最終的に700名を超える応募があり、約7200万円の寄付が集まったという。

今回参加したチャリティランナーと石原都知事(写真左)。参加基準は、10万円以上寄付が前提。最終的には707名がエントリーし、7184万5000円の寄付が集まったという。有森裕子さんもランナーとして出走した(写真右)。

 初回としては大成功だったと思う。来年以降も継続して、ぜひロンドンマラソン並みの大規模なチャリティ・イベントへと発展してほしい。

 1月23日に実施された湘南国際マラソンでも参加ランナーに対してチャリティの呼びかけが行なわれた。ランニング・ブームの中で、チャリティランナーを増やそうという気運も高まっている。東京マラソンに刺激されて、他のマラソン大会でもチャリティ枠が増えることも期待したい。

行政がNPOのために
寄付を集める時代

 さて、今回のテーマはチャリティランナーではない。東京マラソンのファンドレイジングの成功を見て思ったのは「中間支援団体としての行政機関」である。参加者の9割がチャリティランナーで、約63億円もの寄付(2009年)を集めるというロンドンマラソンにはまだまだ及ばぬものの、たった1日のイベントで7000万円もの寄付を集める。これは日本の寄付市場の中では、大きな成果であるといえる。行政の力がこの成功をもたらしたともいえる。

 東京マラソンの主催者は一般財団法人東京マラソン財団だが、この財団の設立者は東京都と日本陸上競技連盟である。評議員名簿を見ても役員名簿を見ても、東京都の職員がずらりと並んでいる。すなわち、東京都は事実上、東京マラソンの主催者の一員である。つまり、行政機関が(事実上)主催するスポーツ・イベントを活用してファンドレイジングを行なった。そこに筆者は日本のファンドレイジング、そして社会セクター成長の大きな鍵を感じるわけである。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

⇒バックナンバー一覧