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みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

中小やベンチャーで働くと将来が不安ってホント!?
就職人気ランキングに出てこないユニーク企業の魅力
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石渡嶺司 [大学ジャーナリスト]
【第16回】 2011年3月8日
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よくある光景~就活で失敗したつもりが

 「まったくなんだって言うんだ。ちょっとくらい、言いよどんでもいいじゃないか。これでもうちの工学研究科では首席だよ、俺は。技術職なんだからさあ、細かいこと言うなよ。初東電気の面接担当者の野郎、ドアを閉めるか閉めないかのうちに『あんな口下手なのはうちでは無理だろ』とか言いやがって。

 トコット電産もひどかった。『君、実験のとき、やたらと回り道するようだけどさあ。そういう非効率なことじゃ、うちでは向いていないんだよね』でアウト。色々、実験するから面白いのに。他も大手は軒並み全滅だったなあ…。

 はー。で、教授の紹介で受かったのが、京都のメーカーかあ。知名度ゼロだし、聞いたことないし。しかも、京都!あれだろ、京都って何かにつけ「~どすえ」とか言うんだろ。三代住まなきゃ人扱いしないとか。そんなところに行って住まなきゃならないなんて考えたくないなあ。あーあ」

 「学生の就職が厳しいと聞いていたけど、まさか俺まで落ちるとは。でもさあ、仮にも商科だよ、商科!それで、こんなボロボロなんて全く社会が悪いんだよ。それと政治だ。少しはさあ、若者の俺や学生に夢を持たせておくれよ。

 面接官も、どいつもこいつも上から目線で言いやがって。鈴木商会なんぞ「君はサラリーマンには向いていないから就職はあきらめなさい」とまで言いやがった。あー、腹立つ。あとどこだっけ、「どうせ君らは色々忙しくて勉強なぞしていないだろ。不勉強な学生はいらんよ」とも言いやがった。あのさあ、勉強していたら、就職どころじゃないでしょ。近頃の年食ったもんはそんなことも分からないかね。

 で、結局、親戚の紹介で働けるようになったけど、こんな高い製品、誰も買わないよ。数年持たないだろうなあ、この会社。こんな会社にしか入れないなんて。人生、先行き暗いよなあ…」

 初東電気に落ちた学生はその後、京都によくなじんだ。実験でも回り道ばかりしていたが、その会社はこの社員を非難することはなかった。その後、実験中、偶然発見した物質は世界のエネルギー事情を一変させる物質だった。この発見が元でノーベル賞を受賞、そのメーカーの技術力も向上し、世界中から称賛された。ノーベル賞受賞者を落とした初東電気は見る目のなさをのろったという。

 総合商社・鈴木商会に落ちた学生は親戚のコネで社員数10人の自動車販売会社、トッタン販売に入社した。セールスの鬼と化したこの学生はトッタン自動車を業界トップに押し上げ、本社だけで従業員数10万人を超える大企業に成長させた。その後、財界のトップとして君臨することになる。財界総理を落とした鈴木商会は見る目のなさをのろったという。

※ここまでの話はフィクションです

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石渡 嶺司 [大学ジャーナリスト]

1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。日用雑貨の営業の派遣社員、編集プロダクションなどを経て2003年に独立。日本全国350校を超える大学を調査、とくに就職活動をめぐって、学生や大学就職課、教職員団体、あるいは高校生向けに積極的な執筆や講演活動を行う。主な著書に『就活のバカヤロー』『最高学府はバカだらけ』(以上、光文社新書)、『ヤバイ就活!』『就活のバカタレ!』(以上、PHP研究所)などがある。


みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

「第二次就職氷河期」といわれる現在。学生、企業、大学、親など、取り巻く関係者すべてに悲壮感が漂っている。こうした悲壮感が漂うなか、彼らの実態とはどのようなものなのか。その様子を時系列で追いながら、誰が就活を悲惨にしているのか、“犯人”を探る。

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