闇株新聞[2017年]
2017年1月12日公開(2017年1月12日更新)
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正体は明かしていない。
人気ブログ「闇株新聞」で「オリンパス事件」「AIJ投資顧問事件」といった経 済事件をきっかけに、信頼のおける解説でコアな読者をつかんでいる。 ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン(DPM)で有料メルマガ『闇株新聞プレミアム』を配信。
著書に『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)など。

闇株新聞[2017年]

闇株新聞編集部
 

『闇株新聞』は、新聞、雑誌などの大メディアの経済記者や金融業界関係者、プロ級の個人投資家がひそかに情報源にしている。連載『週刊闇株新聞』では、ダイヤモンド社グループの有料メルマガ・DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)『闇株新聞プレミアム』で配信しているディープな闇株的考察のダイジェストや「闇から暴く相場の真実」というスタンスのもと株、為替、日本国債、世界経済の今後などについて解説していきます。

闇株新聞編集部

トランプ相場は新大統領就任でどうなる?
2017年はバブル!急落の可能性は!? 闇株新聞が予測する米国経済

いよいよ20日に米国にトランプ新大統領が誕生します。当選直後から世界の金融市場は大きく動いているものの、まだ然るべき水準や位置関係を模索している様子。「現時点では厳密に各相場の方向や予想レンジを決めつけることは控え、柔軟に考えてみることが必要」という刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が、トランプ新政権の経済政策と日本株の行方を考えます。

1月20日、トランプ新大統領誕生
新政権の陣容からわかる基本政策とは

 いよいよトランプ氏が大統領に就任します。議会でも共和党が多数を占め、ねじれは解消されます。大統領と共和党(主流派)とのギクシャクは残ったままですが、とりあえず最初の100日間は正面衝突はないでしょう。

 新政権は、通商代表部(USTR)代表に米国鉄鋼業界の利益代表ともいえるロバート・ライトハイザーを指名しました。レーガン政権時の対日鉄鋼協議で日本に輸出自主規制をのませた敏腕弁護士で、今回は世界を席巻する中国鉄鋼メーカーに強硬姿勢で臨むことになります。国家通商会議トップには既にピーター・ナバロを指名しており、通商関係は対中国強硬派が揃うことになります。

 金融行政面でも証券取引委員会(SEC)にウォール街と関係が深いジェイ・クレイトンを指名、デリバティブ分野を管轄するCFTC委員長にもクリストファー・ジャンカルロ委員の昇格が確実視されており、一気に規制緩和の方向に進みそうです。

 最重要の銀行規制に関してはFRB銀行監督担当副議長がキーマンになりますが、その前にFRB理事に2つの空席が残ったままです。理事は大統領が指名できるためやはり規制緩和派の理事が指名され、その1名が銀行監督担当副議長となるでしょう。金融行政面では規制緩和(あるいは規制強化の後退)の方向がはっきりします。

経済政策は(フォードやトヨタへの対応を見てわかる通り)どこまでも「米国優先」となり、そのしわ寄せは日本、中国、中東、新興国など全世界に(ロシアだけは比較的優遇されるかもしれませんが)押しつけられることが、いよいよハッキリしてきたようです。

米国経済は昨年夏からずっと上向き
世界の「伸びしろ」が米国に向かう

 米国経済は大統領選前の2016年7~9月期から「はっきり」と上向いており、同期の実質GDPは前期比年率で3.5%も成長していました。

 しかし、中国ショック、資源価格の急落、英国ショック、そして「トランプ大統領懸念」で世界の株式市場が必要以上に神経質となり、金融緩和・量的緩和が必要以上に維持され、株価が急反発する「下地」は出来上がっていたのです。

 つまり、もともと米国経済は雇用を含めて比較的順調でしたが、数々の先行き不安から株価の上値は抑えられ(かつ資金は潤沢に供給され)ていたところに、当選したトランプが「生産・雇用・資金すべての米国回帰」と打ち出したので、市場心理が一気に好転したこという流れです。

 トランプ新大統領の政策は米国の貿易赤字を減少させることになり、米国以外の国の経済活動にはマイナス効果となります。世界経済の「伸びしろ」が米国に移転しますが、ではその分だけ米国経済が上向くのかというと、物価上昇(とくに賃金上昇)で相殺されてしまうかもしれません。

 先週末(1月6日)に発表された12月の雇用統計では、雇用者数は15万6000人増と予想を下回りましたが、早くも時間当たりの賃金が前年比2.9%と7年半ぶりの上昇となっていました。FRBのイエレン議長はこの賃金インフレを最も気にしており、利上げ路線は継続されるはずです。

トランプバブルで日本株も上がる
投資家が警戒しておくべきことは?

 新大統領の経済政策で世界中に過剰供給されている資金が、米国に集中することになります。また、米国企業が海外に滞留させている2兆ドル以上の資金が軽減税率により米国に還流することにもなると、利上げ継続と合わせてドル高を持続させることになるでしょう。

 そうした資金が設備投資など生産性を向上させる方向に向かうならまだしも、どうしても安直な(汗をかく必要のない)株式投資・不動産投資・自社株買いなどに向かうため、リーマンショック以降の世界的傾向である「実体経済と株式など資産価格のギャップ」をさらに拡大させる傾向は続くことになります。

 とくに本年はその傾向がさらに加速しそうなので「今年はバブル元年になる」と予想するわけです。バブルとは実体経済と遊離して株価などが上昇することであるため、トランプの経済政策に何の恩恵も受けない日本株も上昇することになりそうです。

 株価は上昇しても、米国の保護主義はもともと潜在成長率がゼロ近辺の日本経済に、さらなるマイナス効果を与えます。そこへドル高(円安)や原油価格上昇などが加わると、物価だけが上昇することになり、実質賃金は低下、消費は減退、日本経済のさらなる低迷となってしまうでしょう。

 それでも、ひとたびバブルとなれば、消費が減退しようが経済が低迷しようが、株価は外部要因(悪材料)にはますます鈍感になりますから、一時的な急落があってもすぐに上昇基調に戻るでしょう。日本の投資家が備えておくべきは、急激な円高(ドル安)くらいと思われます。

 米国内の状況からは急にドル安になる可能性はありませんが、トランプ新政権がドル高に耐えきれなくなると、ある日突然に中国と日本を「為替操作国」に認定し、円高に転じるシナリオが想像できます。あと半年~1年は大丈夫だと思いますが、頭の片隅に入れておく必要はありそうです。

本連載は刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』の配信から一部を抜粋して掲載しています。今回のトランプ新政権と市場の行方に関する記事は、さらに「急激な円高(あるいはドル高)になる可能性とその要因」「新興国通貨が急落する可能性」「中国から外貨の流出が止まらない理由」そして「日本株にとっての最大のブラックスワン(事前予測できず発生したときの衝撃が大きい事象)は何か?」など、あらゆる角度から深い解説がなされています。本連載の紙面に収まり切らない深くて熱い解説をお読みになりたい方は、この機会にぜひ刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』の購読を御検討ください。
 

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