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山崎元のマルチスコープ

マーケティングを解毒する教育の必要性

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第171回】 2011年3月9日
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「ニューロ・マーケティング」の勃興

 3月7日の『日本経済新聞』朝刊11面に、些か気になる記事が載っていた。「脳科学活用への道筋」と題する特集の「上」に相当する記事だが、企業がマーケティングの効果を測定するために、脳の研究を応用しているという記事だ。

 先端の科学研究がビジネスに応用されることはよくある話だが、この記事では、製品そのものの効果を測り改善を図るための応用と、宣伝への応用の二種類が紹介されている。

 前者の例としては、たとえば、化粧品の資生堂がストレスを減らす香料の開発のために、脳の活動を測定する機器を使っているという例があげられている。これは、研究開発の工夫として納得できる話だ。記事の中では、「消費者が誤解するような仮説の活用」に注意を喚起しており、これも頷ける。

 たとえば、ある種の機器が「脳のトレーニングにいい」という触れ込みで売られている場合、その効果は何によって確かめられたものなのか、学術的なレベルでも根拠があるとされているものなのかどうかは気になるところだ。

 ただし、一方で、特定の専門家が言っているというだけでは信用に足るものかどうかが判断しにくいが、他方で、ある時点で学術的に認められているということがその仮説の正しさを保証できるものではない。信じるか信じないかは、最終的にはユーザーが判断する問題だが、信頼度に関する情報が適切に提供されることが大切だし、一般ユーザーに判断の難しい問題については、国とは限らないが第三者が判断情報を提供することが大事だ。

 ここまでは、いい。

 大きな問題として筆者が気になるのは、脳科学の宣伝への応用だ。日経の記事にある以下のような例をどう考えるか。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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