「なんで同じミスを繰り返すんだ!」…部下育成に悩む人に朗報がある。ベストセラー『「悩まない人」の考え方』著者の木下勝寿氏が「マーカー引きまくり! 絶対読むべき一冊」と絶賛する本がある。『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』だ。著者・森武司氏が率いるFIDIAは、創業以来18年連続で増収増益を達成し続けている注目企業。その成長を支えるカルチャーのひとつが、「仲間の挑戦を後押しする」マネジメントスタイルだ。今回は、そのFIDIAグループであるイルミルドにて、Amazon販売チームの責任者を務める加納敬章氏にインタビュー。「売れない」を突破するためにやっている“超シンプルな習慣”とは?(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「客の気持ちなんて知るか」からの脱却! 日本一売るチームの超シンプルな手法Photo: Adobe Stock

「レビューは全部見る」
――お客様の声を、最初から最後まで読み込む

――イルミルドのAmazon販売チームは売上日本一の実績を持つと聞きました。成果を出すうえで、一番大切にしていることは何ですか?

加納敬章(以下、加納):一番は、「お客様に選んでもらうこと」。これに尽きます。

そのために重視しているのが、レビューの徹底調査です。
自社商品はもちろん、競合商品のレビューも1件ずつ全部読みます。

goodレビューもbadレビューもすべて。評価されている点、不満に感じている点、細かく分類して、カウントして、傾向をつかむ。

これらはもう本当に泥臭いというか、地道な作業なんですが、徹底的に調査するようにしています。

――レビューで得た情報は、どう活かしているのですか

加納:販売促進に落とし込みます。この強みはこう伝えた方が刺さる、この弱みはこう言い換えればマイナスにならない、というふうに。

コピーや画像を工夫して、より「選ばれる見せ方」に変えていきます。

なかには、クリエイティブディレクターやブランドの担当者と相談しながら進めることもあります。
ただ、基本的にはチーム内でどんどん試していく。

「どう伝えれば、この商品はもっと選ばれるか?」を考え続けています。

画像の「光の当て方」までテストする

――レビュー調査以外で工夫していることはありますか?

加納:ABテストですね。たとえば商品画像は、光や影、質感の出し方などを変え、複数パターンを撮影します。

それをABテストして、クリック率の違いを見ながら改善していく。

ちょっとした違いでも反応が変わるので、細かい部分まで妥協しません。

――タイトルにもある「客の気持ちなんて知るか!」という考え方について、どう思いますか?

加納:むしろ逆で、「お客様の気持ちしか考えてない」と言ってもいいくらい(笑)。

レビューもABテストも、全部「どう感じるか」を確かめるためにやっている。そこをサボると、確実に売れなくなります。

「基本」を徹底するのが、うちの文化

――でも、たしかに“わかってるつもり”になることって多いですよね。

加納:そうですね。感覚や経験だけで「これがウケるだろう」と思い込んで進めるのは危険です。うちのチームは、それを避けるために「データ」と「仮説と検証」を重ねていくスタイルを大切にしています。
「客の気持ちなんて知るか!」ではなく、「お客様の気持ちを、知ったつもりになるな」ってことですね。

――地道な分析と検証の積み重ねが、成果につながっているんですね。

加納:本当に「基本中の基本」ばかりです。でも、それを本気でやるかどうか。最初のブランド「オルナ オーガニック」の立ち上げ時から、レビューを読み込んで訴求を考えてきた姿勢が、今もチームに根づいています。

――最後に、売れるために一番大事なことは?

加納:特別なことではなく、当たり前のことを当たり前にやること。それをちゃんとやれるかどうかだけだと思っています。
「売れない」って悩む前に、できることは山ほどあるんですよ。

――その姿勢は、まさに『スタートアップ芸人』の中でも描かれていましたね。

加納:はい。森社長の本には、最初のブランド開発のことや、泥臭い試行錯誤の過程も書かれています。面白く読めるのに、実はめちゃくちゃ実践的です。読んでない人は、ぜひ手に取ってみてほしいですね。

(本書は『スタートアップ芸人 ―― お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』に関する特別投稿です。)