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山田厚史の「世界かわら版」

一見盤石な安倍政権に内部崩壊の予兆を見る4つの理由

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]
【第127回】 2017年1月19日
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 「安倍政権は崩壊前夜だ」と言うと、「そんなバカな」と大方の人は思うだろう。「希望的観測だね」とたしなめられることもある。

 衆参両院で安定多数を確保、野党第一党は勢いも人気もない。維新の会も次世代の党も与党ににじり寄る。安倍体制は盤石。誰が見ても政権を脅かす勢力はない。こういう時に内部崩壊の芽は膨らむ。

 目を凝らすと官邸にほころびが見える。与党は膨張しながら分裂のエネルギーを貯めている。とり残される地方に政権離れが起きても不思議ではない。そして天皇。人々は「政権の驕り」を感じ始めたのではないか。

 アメリカにトランプ政権が誕生する。ポピュリズムが生んだ怪物に真っ先に駆けつけ「信頼できる指導者」と持ち上げた見識が、いよいよ問われる。

「官邸の番頭」菅官房長官と
「お側用人」今井政務秘書官にすきま風

 安倍政権の特徴は「政治主導・官邸支配」。長期政権を続けていたころ、自民党は「官僚支配」だった。小泉政権で政治主導へと動き、福田内閣・麻生内閣で引き戻されたが、第二次安倍内閣は、官邸に権力を集中させた。政策の方向性は内閣官房で決める。かつてのように省庁間の力比べで方向が決まる(その結果が財務省支配だった)というスタイルではなくなった。省庁はできる官僚を官邸や内閣府に送り込み、官房長官のおひざ元で政策論議が行われるようになった。ホワイトハウス型の政治だ。

 要にいるのが官房長官。官邸主導になれば官房長官の役割が重くなる。菅義偉という人物抜きに安倍政権は語れない。内閣人事局を設置し、審議官から上の任免権を握り、一段とにらみを利かすようになった。

 官僚は、菅に歯向かわず、菅に気に入ってもらって政策を遂行しようとする。4年経ったいま、留守にしがちな首相に代わって「官邸の主」は官房長官である。

 政権のもう一つの特徴は「経産省主導」。父晋太郎は通産大臣が長く、晋三は経産省に知り合いが多い。昔からの知り合いを重用する安倍が頼っているのが政務秘書官の今井直哉だ。第一次安倍内閣の時、経産省から秘書官として送り込まれ、信認を得た。安倍の日程管理、面会者の人選、報告事項の差配など、首相の操縦桿を握るのが今井だ。

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山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

やまだ あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなど務める。

 


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元朝日新聞編集員で、反骨のジャーナリスト山田厚史が、世界中で起こる政治・経済の森羅万象に鋭く切り込む。その独自の視点で、強者の論理の欺瞞や矛盾、市場原理の裏に潜む冷徹な打算を解き明かします。

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