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ベイスターズの球団社長が5年で健全経営を実現できた理由

『空気のつくり方』

flier
【第29回】 2017年1月23日
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池田氏が社長に就任したのは2011年。この年から5年間、5位と6位を繰り返すほど、ベイスターズの成績は低迷していた。昨年クライマックスシリーズに進出したように、チームが強くなった。この5年間に、池田社長は何をやってきたか。

要約者レビュー

 横浜DeNAベイスターズは2016年10月16日付で球団社長・池田純氏の退任を発表した。

『空気のつくり方』
池田 純
286ページ
幻冬社
1400円(税別)

 本書『空気のつくり方』の著者、池田氏は5年前、35歳の若さで12球団最年少の球団社長となった。その後は横浜スタジアム(通称ハマスタ)の友好的TOB(株式公開買い付け)による「球団と球場の一体化経営」の実現、女性を対象としたイベントの開催、オリジナルビールの開発などさまざまな施策を打ち出して球団を活気づけた。ハマスタのバックスクリーン下の扉を開放して横浜公園を通る人が選手の練習風景を見学できるようにしたり、神奈川県内のすべての子どもたちにベースボールキャップを配布したりするなど、近隣住民との「精神的距離」も大切にした。

 その結果「横浜DeNAベイスターズって何だか面白そう」「カッコいい」「女性客も多い」という「空気」を醸成することに成功し、チームの勝敗に関係なく売上も観客動員数も右肩上がりの数字を実現した。

 本書の冒頭でも「持続性を担保した健全経営をまずは5年という一区切りのスパンで実現させるのが目標」と述べており、見事に目標を達成しての退任となった。

 本書では、著者が5年間で実施してきたこと、その背景にある真意がわかりやすく丁寧に描かれている。「トップはかくあるべし」という理念も見えてくる。若年社長と侮るなかれ、その手腕は実に鮮やかだ。博報堂出身らしく、SNSの使い方を含めたマーケティングについても細かく記されている。経営者に限らず、多くのビジネスパーソンにとって学びの多い一冊となるだろう。 (下良 果林)

本書の要点

・横浜DeNAベイスターズは横浜スタジアムを友好的TOB(株式公開買い付け)を実施することにより、球団・球場の一体経営を実現し、経営の健全化を達成した。
・プロ野球ビジネスのマーケット拡大のために、プロ野球観戦を「野球をつまみに友人や恋人、家族と楽しい時間を過ごす」ための場と再定義した。
・2016年の新ビジターユニフォームは企業名を外し「YOKOHAMA」の文字を配した。このユニフォームは反響を呼びベイスターズが親会社依存から脱却し、より地域に密着した横浜の球団となったことを強く印象付けた。

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