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山崎元のマネー経済の歩き方

ドラッカーに学ぶ運用ビジネス

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第169回】 2011年3月15日
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 経営の神様ことピーター・F・ドラッカーがブームになっている。書名にドラッカーの名前を冠する本は数多いが、『決定版 ドラッカー名言集』は手元に置いて何度も読み返したくなる本だ。上田惇生氏が選りすぐった名言が見開きで日本語・英語対照で載っている(ぜひ、音声版が欲しい)。

 では、運用ビジネスの観点から、ドラッカーを読むとどんな感じか。

 名言集の8番目に「企業の目的は一つしかない。顧客の創造である」という言葉が載っている。これは、ドラッカーの言葉としても特に有名なものの一つだ。
だが、運用ビジネスに当てはめると、正直なところ、手放しで受け入れられる言葉ではない。

 たとえば、近年よく売れた毎月分配型の投資信託、あるいは、同じく毎月分配であるものが多い通貨選択型(目下、ブラジル・レアルコースが人気のようだ)のファンドは、共に運用そのものとしての合理性には疑問があるが、セールスマンが売りやすい商品だ。

 分配金の利回りと安定性を強調して、リスクに対する顧客の印象を薄めながら、金融機関は、これまでに投信を売りにくかった顧客の開拓に成功してきた。

 これらの運用商品は、新たな顧客を掘り起こすことにも成功して、確かにここまで「いいビジネス」にはなってきた。しかし、それが顧客のためか、というと、運用の理屈から考えると「違う!」。

 釈然としない思いで、私は、名言集のページを一つめくった。ここには、顧客を創造するために企業が持つべき機能が指摘されている。「企業には二つの基本的な機能が存在する。マーケティングとイノベーションである」、とある。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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