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日本を元気にする新・経営学教室

終身雇用とリーダーシップの関係
人脈作りをオープン方式化し、
仕事の仕方を「見える化」せよ
慶應義塾大学ビジネススクール教授 高木晴夫

内田和成 [早稲田大学大学院商学研究科教授],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],髙木晴夫
【第7回】 2011年3月18日
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 日本の大半の主要企業は「終身雇用制度」を継続している。したがって、この制度を前提に、企業組織を強くしていくかないといけない。そこで、私の執筆の第2回目では、リーダーシップと終身雇用の関係を考えてみたい。

 ここでリーダーシップの定義については、深くは立ち入らないが、狙っている将来のある状況に向けて、協力する人々の動機付けを高め目的意識をそろえるための作業、想定外の事態が起こったときにそれを乗り越えるための作業と、捉えておく。

終身雇用制度のない企業は
フォーマルな組織を使う度合いが高い

 終身雇用制度がある場合とない場合では、リーダーと働く人との関係は、「種」を異にするくらい違っている。つまり、組織内のネットワークの状態=「人脈」が大きく異なっているのである。

 最初に、終身雇用がない場合、組織の中がどうなっているかをみてみよう。まず採用に当たっては、どういう仕事か、その仕事に必要なスキル、会社の期待度が明示されて、働く人と会社が労働契約を結ぶ。したがって、働く人は、入社前の時点で、何をしたらよいのか、会社の期待とそれに対する報酬もわかっている。

 リーダーのほうも同じ状況なので、そのことがわかっており、わかっている人同士が、上司と部下としてチームを組む。つまり何をやればよいかがわかっており、互いに職務記述に沿って仕事の目的を達成しようとする。

 一方、たくさんの人がいる組織では、終身雇用の有無にかかわらず、必ず人脈が発生する。情報、貸し借り、時にはメンターの関係など、ソーシャル・キャピタル(社会的な財)が流れるのが人脈である。

 終身雇用がない場合は、自分から発生している人脈がカバーしている範囲が狭く、会社全体をカバーしているケースは少ない。それはどうしてかというと、採用されるときに仕事が規定されていて、社内で仕事上の接点を持つ人が限られているからだ。

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内田和成(うちだ かずなり) [早稲田大学大学院商学研究科教授]

東京大学工学部卒、慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストンコンサルティンググループ(BCG)入社。2000年6月から04年12月まで日本代表。09年12月までシニア・アドバイザーを務める。BCG時代はハイテク・情報通信業界、自動車業界幅広い業界で、全社戦略、マーケティング戦略など多岐にわたる分野のコンサルティングを行う。06年4月、早稲田大学院商学研究科教授(現職)。07年4月より早稲田大学ビジネススクール教授。『論点思考』(東洋経済新報社)、『異業種競争戦略』(日本経済新聞出版社)、『スパークする思考』(角川書店)、『仮説思考』(東洋経済新報社)など著書多数。ブログ:「内田和成のビジネスマインド

 

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。


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好評だった経営学教室の新シリーズ。新たな筆者お二人を迎えて、スタートする。国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入している。日本企業に漂う閉塞感を突破するには、何がキーとなるのか。著名ビジネススクールの気鋭の教授陣が、リレー形式で問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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