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震災復興では、コンクリートよりも人を優先に

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第173回】 2011年3月23日
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 3月11日に起こった東北関東大震災の被害状況は未だ予断を許さない。単なる比喩でなく文字通り懸命の作業が福島第一原発で行われているが、原子力被害の拡大を有効に食い止められるか、今後は不透明だ。また、折からの寒さや、地震で破壊された交通の影響もあって、一命をとりとめたものの、健康を害する被災者が増えている。災害そのものは、まだ現在進行形だ。

 あるいは、現状はまだ復興を考える段階ではないかも知れないが、既に大きな被害が発生してしまった以上、なすべきことの中心は被災地域の復興だ。復興のための準備は早いほうがいい。

 たとえば、これから月日が経つと、自分の土地に戻って家や事業所を再建し始める被災者が出るだろう。しかし、彼らが投資する場所は、必ずしも、今後の地域復興の計画にそったものではないかも知れないし、そもそも危険な場所かも知れない。

 自力で自宅や事業所を再建しようとする被災者にとっても、早く復興の青写真を示して貰わないと、どこにどのように投資していいかが分からないので、投資が出来ないから、これは地域復興の遅れにもつながる。

 復興のあり方を決めるのは、主として当該地域の住民であるべきだが、話し合いのための時間を十分取るためにも、復興計画の検討は早く始める方がいい。

増税でなく日銀引き受け

 震災の被害額がどれくらいのものなのかはまだ計算できる段階ではないが、今のところ、直接被害で10兆円~13兆円、フローの経済の縮退による間接的な被害で7兆円(当初1年間で)などと推計された阪神淡路大震災の被害を大幅に上回るとする概算が多いようだ。

 これに対して、投入すべき財政資金として、10兆円、あるいは20兆円といった額が議論されている。

 問題は、そのファイナンスの方法だ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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