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トランプ保護主義の矛盾に対応しなければ日本は孤立する

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第464回】 2017年1月31日
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Photo:AP/AFLO

“米国第一主義”を
追求する強い意図

 1月20日のドナルド・トランプ氏の大統領正式に就任を受けて、ホワイトハウスのホームページが刷新された。そこには、トランプ政権が政策課題(Issues)に掲げる6つのテーマが掲載された。エネルギー生産、外交政策、雇用創出と成長促進、軍事力強化、法執行、通商交渉の分野だ。

 各テーマに共通するのが、“米国第一主義”を追求する強い意図だ。米国のより高い経済成長を実現し、偉大な国家基盤を形成するため、トランプ氏のリーダーシップによって、米国に好ましい“ディール”(交渉、取引)を力強く進めることが明記されている。

 特に、経済の側面に焦点を当てると、米国は自国の製造業を復活させ、米国にとって好ましい通商政策を通して輸出を増やそうとしている。この点で、“米国第一主義”を掲げるトランプ政権の政策の軸は“保護主義政策”と考えてよいだろう。

 政策課題の各所に、経営者としてのトランプ氏の経験が米国に富をもたらすとのニュアンスが含められている。そこには、米国の経済を守るために、中国やメキシコなどに圧力をかければ、有利な条件が引き出せるとの考え方があるようだ。

 実際、トランプ氏は相手に強く迫り、有利な条件を引き出すのが得意と言われている。しかし、トランプ氏が考える通りに進むか否か、に関しては疑問符が付く。世界経済の運営は企業の経営とは異なる。多様な利害、比較優位性の原理があることを忘れてはならない。

 同氏が唱える保護主義政策には明らかな矛盾がある。自由貿易が進んだ結果、米国は中国製のモノを、国内で生産するよりも低いコストで手に入れることが可能になった。保護主義政策はこれに逆行する。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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